季節性インフルエンザの新規感染者数が増え続けている。厚生労働省によると、10週連続での増加だ。
インフルエンザの流行は12月下旬から3月上旬が中心だが、2023年は、冬の本格シーズンを迎える前に、流行が始まるという異例の事態。これからさらに感染者が増えることが確実とみられている。
愛媛が全国トップ
インフルエンザの感染者は、全国約5000の定点医療機関の情報をもとに、1週間ごとに厚労省が公表している。
2023年第43週(10月23~29日)の1定点医療機関あたりの感染報告数は19.68人。前週の16.41人の約1.2倍になった。その前の週は11.07人だった。第36週(9月4日~10日)から10週連続で増えている。
第43週においては、都道府県別だと愛媛県(51.46)がトップで、埼玉県(33.08)が続く。大きな流行が起きているという「警報レベル」の目安である「30人」を超えている。
さらに山梨県(29.56)、千葉県(29.25)、福島県(28.93)、愛知県(26.35)、兵庫県(24.95)、高知県(23.66)、長野県(23.03)、鳥取県(22.86)、神奈川県(22.80)、静岡県(22.64)、大分県(21.79)、山口県(21.51)、佐賀県(20.62)、福岡県(20.47)、東京都(19.91)などが多い。44道府県で前週よりも増加した。42の都道府県で注意報レベルである「10人」を超えている。
すでに約291万人が感染
定点医療機関からの報告をもとに、この1週間(10月23~29日)に、定点医療機関以外の医療機関を含む全国の医療機関を受診した患者数を推計すると、約67.4万人。年齢別では、0~4歳が約6.5万人、5~9歳が約17.7万人、10~14歳が約16.3万人、15~19歳が約6.4万人。20歳以下が目立つ。幼稚園や学校など4706施設が休校や学年閉鎖・学級閉鎖となっている。前週の1.25倍。
このほか20代が約3.9万人、30代が約4.9万人、40代が約5.5万人、50代が約2.9万人、60代が約1.7万人、70歳以上が約1.5万人となっている。9月初旬から10月末までの累計患者数は、すでに約291.5万人と推計されている。
感染状況は、同じ都道府県内でもばらつきがある。感染者数が全国トップの愛媛県では、県東部の四国中央保健所管内が特に多く、1定点医療機関当たり142.20人。全国の保健所管轄区域で、警報レベル(30人)を超えている区域は103か所(31都道府県)となっている。