漫画制作の現場で飛び出す「ボウリング用語」
続いて「WEBTOON HOTPIC」。今回取り上げたのは下記の2トピックだ(36:45~)。
1. 「路上伝説」が10月4日に紙単行本化!
国産の新興スタジオの作品でも、紙書籍化の事例が出始める。
2. WEBTOON作家と、どうやって出会う? 各社の工夫と事例を紹介
注目どころは2(42:25~)。作品作りの要である「作家」と、どのように出会い、信頼関係を深めていくのか。座光寺さんは「ベーシックな方法かと思う」と前置きし、自身の取り組みを教えてくれた。出会い方には、大きく分けて3つある。
1.ネット掲示板などで「募集する」
2.SNSや公開されている作品、イベントを介して知った作家に「声をかける」
3.自社のフォームに寄せられる「持ち込み」
遠藤さんは、知り合いの作家から、新たな作家を紹介してもらうケースもあるとしつつ、「ウルトラCのような方法はない」と話す。作家との接点づくりには地道な努力が欠かせないのだ。
また、「漫画づくり」に関わりたい人に対して、そもそもWEBTOONという手法・形式があると啓蒙する必要性も感じているという。そしてそれは、「出会う時」にだけ頑張ればよいことではない。
座光寺さん曰く、WEBTOONは新しい文化であるがゆえに、作家にも編集者にも「何十作と手掛けたベテラン」がいない。共に制作する仲間になったからこそ、一緒に成長していくためには知識やノウハウの共有が大事だ。遠藤さんは、日々の作家との打ち合わせの中で出た「WEBTOONあるある」を用語化およびマニュアル化し、広めているという。
生み出した言葉の一つに「ガターライン」がある。ボウリングレーンの端にある溝を思い浮かべてほしい。
「WEBTOONは縦長画面で読んでいくので、視線は真ん中に集中します。重要な吹き出しや絵を端に寄せると、目が泳いでしまい読みづらさにつながるので、『ガターラインにはそういう情報を載せないでください』などとお願いをする」(遠藤さん)
それぞれの主観で「こうしたい」を表現すると、複数人で同一のイメージを持つのは困難になる。平易な言葉で明確な判断基準を作り、行き違いを減らすのも編集者の重要な役割だ(54:40~)。