新型コロナウイルス第9波による2023年8月の死者は、間接的にコロナが関係しているケースも含めると、全国で4900人を超えていたことが、10月末に公表された厚生労働省の分析でわかった。5月からコロナの感染法上の扱いが、2類から5類に変わり、死者の公表は2か月後れとなっている。
6~8月で約9000人
厚労省によると、今年8月の1か月間に、新型コロナが最も死亡に影響したとされる死者は全国で2830人。また、新型コロナが、死因となった病気の経過に影響を及ぼした人も含めた死者数は4911人だった。
同じ数え方で、5月は620人と1379人。6月は772人と1594人、7月は1415人と2486人だった。死者数は5月以降、次第に増えている。
コロナが2類だったときは、死者数が毎日公表されていた。しかし、5月以降は、市区町村に提出された死亡届と死亡診断書の情報を、都道府県経由で収集して公表する方式に変わった。このため、死者数の把握・公表は、実態と約2か月のタイムラグが生じている。また、人数も後日、修正されることがある。
2類当時とは、死者数の把握方式が異なっているので、過去のコロナ死者数と単純には比較できないが、同じ方式で分析すると、第8波終盤の今年2月は、2677人と5968人だった。第9波は死者が少なかったとされているが、コロナが間接的に影響したケースも含めると、6~8月で約9000人に上っている。
「第9波」はほぼ収束
一方、全国の新型コロナの感染者数自体は、このところ急減している。
厚労省によると、10月16日から22日までの1週間で、全国約5000の定点把握医療機関における新規感染者数は、1医療機関当たり3.25人。その前の1週間は3.76人だった。
約1か月前の9月18日~24日 、全国の新型コロナの新規感染状況は、1医療機関あたり11.01人。その前の1週間は17.54人。さらにその前は2週間続けて20人台だった。このため、第9波は8月末から9月上旬がピークだったとみられている。