「事務所所属まで7年かかった」声優が明かす 養成所で「すべきだったこと」

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楽しい世界だからこそ、本気で

   スペース終盤、山下さんは「声優をこれから目指す人、声優の卵に伝えたいことは」と質問を投げかけた。すると田村さんは、所属事務所の代表である、声優・井上和彦さんの言葉を紹介。作リエのリスナーの中でも、特に「養成所に入った人たち」に向けた一言だ。

「お芝居はすごい楽しい世界なので、楽しくやるのは大事だけど、やるなら本気でやりなさい」

   田村さんも「やっぱりそうだよな、ドキッ」としたという。山下さんも「ただ楽しくやるだけでは成長しないですからね」と頷く。さらに、井上さんのあたたかい言葉は他にも。詳しくはアーカイブにて(50:28~)。

   スペース終了後の二人に話を聞いた。山下さんは、田村さんが養成所生として積み重ねた時間と経験、熱量を受けてか、こう話した。

「どういう生き方をどれくらいの期間行う...というのはなかなか難しい判断ではありますが、どの選択も『良い・悪い』がありますね。なかなか考えさせる話題だなと思いました」

   田村さんは、作リエ出演の誘いを受けた際「俺なんかでいいのだろうか......」と不安だったが、それでも「ええい、ままよ!」と飛び込んでみたという。本番がスタートし、リスナーがいるのを見た瞬間、「僕自身や僕が話す話題に興味がある方がいるんだなと感じて嬉しくなった」。また、絵文字でのリアクションやコメントが寄せられたことに触れ、このように語った。

「『この人たちに楽しんでもらいたい、この人たちに届けるんだ』と、話している先に誰がいるのかがはっきりとしました。これはこれからの役者生活においてとても大きなことです」

   結果、「頭でうだうだ考えてないでとりあえず行動してみることは大事」と感じたという。

   田村さんは今年8月末ごろにバイトを辞め、週3~5ペースで自主練やワークショップを通じて「芝居漬け」の生活を送っている。自分がバイトをしている時間にも売れている人たちは仕事をし、どんどん腕を上げていく状況では、差が一生埋まらないと考えた。30歳を迎え、「ちゃんと役者と向き合わないと、今後自分は何者でもなくなってしまう」と思いが根底にある。技術と精神の研鑽の日々は続く。

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