埼玉県が仮想空間「バーチャル埼玉」を2023年11月14日にオープンする。空間内で県の魅力を発信し、イメージアップや県政の認知度向上を目指す。
同県では2021年から「埼玉バーチャル観光大使」としてVTuberの春日部つくしさんを任命しており、バーチャル分野に力を入れているのがうかがえる。県民広聴課の担当者に取材した。VRやメタバースを活用した情報発信は、どこからでもアクセス可能なほか、「デジタルネイティブ」など若い世代に興味を抱いてもらいやすいとメリットを語る。
仮想空間に小江戸川越の街並み
埼玉県の23年10月19日付発表によると、バーチャル埼玉はパソコンやスマートフォンのブラウザーから入場可能。「さいたまスーパーアリーナ」や川越の古風な「蔵造り」の街並みなどを仮想空間上に再現している。バーチャル埼玉の開催期間は11月14日から2024年3月末まで。
さいたまスーパーアリーナでは11月14日のオープン記念イベントなど、さまざまな催しを実施予定。「川越」エリアには県庁の各課による、県の魅力アピールを目的としたブースが設置される。また空間内には「ねぎ」「みそポテト」など、県の農産物やグルメを頭部に乗せたオリジナルアバターが登場する。
10月19日~31日まで県公式X(旧ツイッター)「SAITAMA Next 150」でオープン記念SNSキャンペーンを実施。アカウントのフォローやクイズへの参加を応募条件としており、抽選で10人にECサイト「アマゾン」のギフト券コード3000円分をプレゼントする。
「バーチャル県庁」も目指す
埼玉県・県民広聴課の担当者によると、バーチャル埼玉では、さいたまスーパーアリーナや川越以外にも、埼玉の魅力を知れるエリアを用意するという。
バーチャルやメタバースについては、「HP」(ホームページ)やSNSに続く「第3」のツールと考えているという。3次元的表現やアバター同士のコミュニケーションを通して、これまで周知されていない埼玉の多彩な魅力を再発見できる機会になる、と見込んでいる。
「将来的には相談やセミナーの実施など、行政サービスもバーチャル空間で展開することで、県民サービスの向上につなげる『バーチャル県庁』を目指していきたいと考えています」(県民広聴課担当者)