VTuber起用で売り上げ470%、ライブコマース成功の背景に「信頼」 au「ショッピング with V」に聞く

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プラットフォームが変わっても

   これまで多様なキャスティングを実施してきたライブTV。中森氏によると、これまでの運用を通して、「ライブ配信でどれほど満足いただけるかで、視聴時間や商品の購入確率が変わる」と知見を得たという。あるとき、VTuberというジャンルは「熱量の高いファンが多く、かつ非常に(ファンとの)距離感が近い関係を構築している」ケースが多いと聞いた。

   そこで、23年5月に初起用。ファンと密接な関係を築いているVTuberという存在ならば、YouTubeなどの主戦場からライブTVにプラットフォームが変わっても、多くのファンが見てくれるのではないかとの期待感はあった。

   そこで試験的に配信すると、視聴時間や購入数も含め「非常に良い視聴実績、販売実績」をあげた。本格的なシリーズ化が決まり、7月に開始したのが「ショッピング with V」だ。

   日頃の活動を通してファンとのコミュニケーションが密接なために、たとえば食品についてVTuberが好意的なコメントをすると「じゃあ私も買う」との心理が働きやすいと中森氏は分析する。「それだけファンの方々がVTuberを信頼している証なのだと思います」。

   なぜファンはこうも強くVTuberにひきこまれるのか。中森氏に聞くと、「2次元だからこそ持っている世界観と、その裏側にある生身の人間性が良い融合をしている」と語る。もしも単なるアニメなら、もちろん現実とは異なる世界観を表現できるが、人間としての共感性は視聴者から得づらい。VTuberならではの独自の文化が、高い販売効果を出しているのではないかとの推測だ。

   一方で、通常のインフルエンサーでもVTuberファンと同等の熱量を持った視聴者層を築いている人はいるという。また吉本芸人など、テレビ出演もしているタレントならば、より広いユーザー層の獲得が見込めると強みを語る。

「何かに集中するのではなく、多様な番組枠を展開し、さまざまなお客様がライブコマース、ライブTVを視聴する機会を最大化していきたい」(中森氏)
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