予言通り「記憶に残るレース」 マラソン130回目、川内優輝選手が激走

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世界との差が縮まらない

   この大会にかける川内選手の思いは、並々ならぬものがあったようだ。今年2月、アシックスの新シューズ「S4」の発表会見に出席した川内選手は、「記憶に残るようなレースをしたい」(スポーツ報知)と抱負を語っていた。

   今大会2日前の13日に開かれた出場選手の記者会見では、「過去129回のフルマラソンの経験がある。世界選手権、アジア大会などいろいろ走ってきたので、経験を生かした走りを見てほしい」と改めて強い意欲を示していた。

   学習院大学時代はほとんど無名。しかし、卒業後に埼玉県庁に就職した川内選手は、「最強の市民ランナー」として頭角を現す。定時制高校の職員を務めながら、マラソン練習に励み、13年には別府大分毎日マラソンで優勝。その後、何度も世界陸上の日本代表になり、18年にはボストンマラソンでも優勝。国際的にも活躍してきた。

   19年3月に県庁を退職し、同年4月からあいおいニッセイ同和損害保険と所属契約を結び、プロランナーに転向した。21年には、フルマラソン2時間20分以内100回達成の記録が、ギネス世界記録に認定されている。

   いわばマラソン界の「現役レジェンド」ともいうべき川内選手。大会前の記者会見では、「(他の選手が)私に負けているようでは日本のマラソンが暗黒期に入ると思う」とも語っていた。

   世界のマラソン界はこのところ高速化が進んでいる。男子の世界記録は2時間0分35秒。「2時間切り」が目前だ。

   川内選手の爆走で沸いた今大会。コンディションなどの違いもあり、単純比較はできないが、1位になった小山直城選手のタイムは2時間8分57秒。世界との差が縮まらない。

   レース後、川内選手は、「若い選手は勇気を出してほしい。これから海外のレースに出て経験を積んでほしい」(中日スポーツ)と、後輩たちに檄を飛ばしていた。

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