予言通り「記憶に残るレース」 マラソン130回目、川内優輝選手が激走

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   さながら「川内劇場」だった。2023年10月15日、東京都心で開催されたパリ五輪のマラソン日本代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」。36歳の大ベテラン、マラソン130回目という川内優輝選手(AD損保)が、35キロすぎまで独走を続け、沿道を沸かせた。

  • 悪天候の中、日本のトップ級が駆け抜けたマラソングランドチャンピオンシップ(画像はイメージ)
    悪天候の中、日本のトップ級が駆け抜けたマラソングランドチャンピオンシップ(画像はイメージ)
  • 悪天候の中、日本のトップ級が駆け抜けたマラソングランドチャンピオンシップ(画像はイメージ)

瀬古さんも「あっぱれ」

   気温14度、激しい雨が降り続く悪コンディション。川内選手は、スタート直後からトップに立って、レースを引っ張る。5キロで7秒差、10キロで12秒差と、少しずつ2位以下を引き離していく。20キロ地点では後続との差は32秒に広がり、25キロでは41秒。完全に独走態勢となった。

   出場していたのは、これまでのマラソンレースで好記録を出して、参加資格を得ている男子61人。東京五輪6位入賞の大迫傑選手や、日本記録保持者の鈴木健吾選手など、日本のトップ級が顔をそろえていた。川内選手は、年齢的にピークを過ぎていることもあり、ぶっちぎりの独走態勢を予想した人はほとんどいなかった。

   30キロ手前になって、さすがにこれはまずいと思ったのか、大迫選手が2位集団のトップ付近に出て、川内選手を追いかけ始める。その差がじりじり縮まり、35キロすぎに、ついに追い付いてきた。

   普通ならここで、一気に抜かれるところだが、川内選手は踏ん張った。トップ集団数人の中に残り、最後は大迫選手とデッドヒートを演じながら、4位でゴールインした。1位とは21秒、2位と12秒、3位の大迫選手とは7秒差だった。

   レース後、日本陸連の瀬古利彦ロードランニングコミッション・リーダーは、「川内選手、よく頑張ったね。まさかの展開で逃げ切るかと思った。彼は日本のマラソンを盛り上げる1番手で立役者。彼に1番あっぱれをあげたい」と称賛した。

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