「大卒看護師」医療現場で存在感増す 国家試験合格者の中で4割超

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大学で看護系学部が増える

   背景には、大学での看護系学部や学科の新設ラッシュがある。厚生労働省によると、1991年度には、全国で11校しかなかった看護系の学部や学科は右肩上がりで増え続け、2003年度は100校、12年度は200校、22年度には300校を超えるまでになった。

   大卒の看護師は、基本給が専門卒の看護師よりも高く設定されていることが多く、受験生から人気が高い。少子化で学生減に悩む大学側も、看護系の学部や学科を設けることで生き残りを図ってきた。人気の高い難関大学も多くなり、看護系の大学院を持つ大学も膨大になっている。

   厚生労働省によると、2022年度の看護系学校の入学生は6万2876人。学校種別でみると、「大学」が2万6517人と最多。初めて「3年課程の専門学校等」を上回っている。「大卒」は国家試験合格率も高いので、今後さらに、合格者に占める大卒割合が増えそうだ。

   6年前に亡くなった日野原重明・聖路加国際病院名誉院長(1911~ 2017)は長年、医師不足への対応策として、能力と意欲がある看護師にさらに高度の教育を施し、医師業務の一部を分担してもらう「タスク・シフト」という新制度づくりを、熱心に訴え続けていた。すでに米国など、海外ではそうした制度を取り入れている国もある。

   看護師の4割が大卒になり、大学院も増えているという現状から、高学歴看護師を活用する素地が整いつつあるともいえそうだ。

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