台湾を主題にしたテーマパークが、メタバース上に期間限定オープンしている。台湾貿易センターや同経済部国際貿易局が開催する「台湾バーチャルフェスティバル2023」の会場・「TAIWAN EXCELLENCE WORLD」だ。2023年12月25日まで公開している。
現地の雰囲気が楽しめる街並みやアトラクションに加え、上述の経済部が内の優良製品に与える「台湾エクセレンス賞」を受賞したアイテムが、3Dモデルで展示されている。9月25日のオープニング日、記念セレモニーを実施。取材のためVR記者カスマルも参加した。
「国球」野球のバッティングセンター
TAIWAN EXCELLENCE WORLDの入口は、台湾の有名な観光地・九フン(きゅうふん)のようなあたたかみのある市街地。奥に進むにつれ、近代的なビルが見えてくる。
ワールド内の両脇は、台湾グルメが立ちならぶ屋台街だ。タピオカティーを手にVRコントローラーのトリガーを押すと、紅茶とタピオカをそれぞれ吸えるギミックが搭載されている。手に持つコントローラーも振動し「吸っている感」を味わえる。ほかにマンゴーかき氷や小籠包(しょうろんぽう)、魯肉飯(ルーローハン)や牛肉麺(ニューローメン)などを手に取れる。いずれも3Dモデルの精度が高く、食欲をそそる。
台湾では野球が人気スポーツだ。そうした背景からか、バッティングセンターも設置している。バットを振り、空中に浮かぶ的をねらってハイスコアをねらう。バットと球が当たったかの判定は、現実さながらのシビアさだ。記者が試すとファールか空振りばかりとなってしなった。少し早めのタイミングで振った方がよさそうだ。
「怪盗ブラックからの挑戦状」というアトラクションは、制限時間内にタワーを登り、台湾エクセレンスのマスコット・福熊くんを助けるゲーム。ただ登ればよいわけではなく、ゲーム中にはクイズが出題される。たとえば「台湾で国球と呼ばれる人気スポーツは?」という問題。「Aバスケットボール B野球 C卓球」と3つあるコースのうち、正解のルートで登らなければならない。
高所から夜景を眺められる巨大な観覧車もある。1周する間、ゴンドラ内のディスプレーには動画が流れる。記者が乗ったときには、台湾エクセレンス受賞メーカー・TATUNGの調理家電「大同電鍋」の解説や工場の映像が流れてきた。レトロな炊飯器然とした見た目が特徴的だ。
3か国語に対応
中央のパビリオンには、台湾エクセレンス受賞製品の3Dモデル、一般ユーザーからSNSで募集した写真などが飾られている。まずは大同電鍋が見えてきた。先述の観覧車の映像ですっかり電鍋に親しんだセレモニー参加者のクリエイターやVTuber(バーチャルユーチューバー)が、「大同電鍋だー!」と「再会」を喜んでいたのが印象的だ。
ほかに、旅行にも持ち運べるポータブル空気清浄機「LUFT Duo」や、全長5.5センチという世界最小のミニ真空圧縮機「VAGO 真空パック機」など、先進的な製品が並ぶ。説明書き下部のQRコードを読み取ると、商品公式サイトや、ECサイト・楽天市場の販売ページにつながる。
セレモニー冒頭では台湾貿易センターの秘書長・王熙蒙(おうきもう)氏がスピーチ。台湾エクセレンス賞の概要について解説した。台湾の変化や未来へと向かう様子をユーザーに体験してもらうため、TAIWAN EXCELLENCE WORLDをオープンしたとのことだ。
同ワールドは日本語・英語・中国語(繁体字)に対応し、世界中のユーザーが楽しめる。
台湾バーチャルフェスティバルでは、10月~11月には東京都内で台湾エクセレンスのポップアップストアやVR体験会も開催。10月下旬ごろには、有名VTuber「ぽんぽこ」さんや「ピーナッツくん」らによるYouTube配信を実施予定だ。