VRで蒸気機関車を運転しよう 鉄道ファンならでは!超こだわりの再現性

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   蒸気機関車の運転を体験できる仮想空間が、メタバースプラットフォーム「VRChat」内に公開されている。自らを「鉄道オタク」と称するfrou01さんが制作するワールド「曙松鉄道曙松線」だ。

   「VR蒸気機関車列車シミュレーター」を掲げ、2人以上でのプレーを推奨。リアルに運転方法を再現しており、発車させるだけでも操作はかなり難しい。

  • メタバースに再現した蒸気機関車「国鉄8620形」
    メタバースに再現した蒸気機関車「国鉄8620形」
  • アクセルにあたる加減弁を操作するfrou01さん
    アクセルにあたる加減弁を操作するfrou01さん
  • 「ナハ22000」の内装
    「ナハ22000」の内装
  • 機関車と客車の連結作業も楽しめる
    機関車と客車の連結作業も楽しめる
  • ボイラーの火室に何度も石炭を入れていく
    ボイラーの火室に何度も石炭を入れていく
  • 駅の様子 信号機の操作レバーなどを設置
    駅の様子 信号機の操作レバーなどを設置
  • 終点・曙松駅 左はVR記者カスマル
    終点・曙松駅 左はVR記者カスマル
  • 車庫の様子
    車庫の様子
  • メタバースに再現した蒸気機関車「国鉄8620形」
  • アクセルにあたる加減弁を操作するfrou01さん
  • 「ナハ22000」の内装
  • 機関車と客車の連結作業も楽しめる
  • ボイラーの火室に何度も石炭を入れていく
  • 駅の様子 信号機の操作レバーなどを設置
  • 終点・曙松駅 左はVR記者カスマル
  • 車庫の様子

「しまった!」の理由

   「曙松鉄道曙松線」は、5か所の架空の駅で構成されている。延長は14キロ(km)以上にも及ぶという。駅のホーム上には、駅員が機関士に手信号を送るための旗や、信号機を操作するレバーを設置している。

   客車や、これをけん引する機関車は、実在のものを再現している。図書館などで調べ上げた図面資料を参考に使っている。今回は「国鉄8620形」という機関車と、「ナハ22000」という客車を連結させ、運転してもらった。

   運転にまつわるギミックまで作り上げた機関車の運転室には、大量のレバーや計器が備わる。発車させるには、機関車の前進や後進の切り替えに用いる「逆転機」のハンドルを、時計回りに動かす。また、ブレーキにあたる「単独弁」や「自動弁」を運転に適した位置に回す。

   逆転機の下にある「バイパス弁」や「シリンダー排水弁」を奥に押し込んだら、自動車のアクセルにあたる「加減弁」を手前に引く。後はシリンダー内の蒸気圧やボイラー内の水量を示す水面計など、さまざまな計器類を見て細かい調整をしながら運転していく。鉄道知識がなければ、まともには動かせないだろう。

   さらに運転をしていると石炭や蒸気を消費するため、本来は機関士(運転士)を補佐する機関助士がボイラーの火室にスコップで投炭し続けたり、ボイラー内の水量を適切に保ったりしなければならない。

   記者は運転方法がわからないため、frou01さんが機関士と機関助士役を兼任した。運転し、線路の分岐点や計器を注視しながら、石炭を入れ続けており、かなり余裕がなさそうだ。

「しまった!」

   frou01さんが声を上げた。火室の燃焼が止まったのだ。何があったのかと聞くと、ボイラー内の水がいつの間にか減りすぎて、「溶け栓」というパーツが溶解してしまったという。この栓がなくなると、炎が吹き消されるのだ。

   細かい部分まで再現しているあまり、気を抜くとこうしたトラブルもあるため、1人での操作はやはり難易度が高い。しっかり運行させるなら、少なくとも「機関士と機関助士、車掌、駅員」の4人が必要とのことだ。

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