企業や自治体作ったメタバースに入ったら「誰もいない」 ユーザー集客ねらうには(後編)

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空間の広さもカギ

   メタバースに同期性が必須だと、仮想空間内のイベントで他のユーザーと知り合っても、その後たまたま同じ瞬間にログインしていないと再度コミュニケーションができないのだ。対応策の例として、コミュニケーションツール「Discord」の活用を挙げた。こちらでは「サーバー」と呼ばれるコミュニティー機能が備わっており、所属する複数のユーザーがチャットや音声通話できる。

   メタバースに関連したサーバーを作っておき、仮想空間にログインしていなくてもユーザー同士がつながれるコミュニティーを提供する。こうした仕掛けが「大事になるかと」と考えを語った。外部ツールを通して、ユーザー同士がメタバース上で待ち合わせをするのにも使える。

   非同期性をうまく活用しているメタバースの例に、アジア最大規模のメタバースプラットフォーム「ZEPETO」を挙げた。こちらは仮想空間に集まって交流するだけでなく、ユーザーがインスタグラムやTikTokのようにプラットフォーム内のSNSに動画を投稿し、「いいね」を送りあえる仕組みがあるという。

   2つめのポイントは、空間の「広さの設計」だ。たとえば自治体が地方の魅力などをアピールするため作る仮想空間では、「街」を作ることがある。ところが街ほどの広さで設計すると、ユーザー同士のアバターが出会いづらくなり得る。またコミュニケーション時に「外でずっと立ち話」をするような感覚になってしまい、そこに留まりづらくなる。

   あまりに空間が広すぎると「人と出会えないし、誰もいなくて帰る」との現象が起きるため、適度な広さを保った設計が必要とした。

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