ラジオDJ「人の魅力を引き出すトーク術」生披露 番組を乗っ取って実演

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【作リエイターズアトリエ(通称「作リエ」)】
テレビアニメ「ポプテピピック」のゲームパートを描き、映像制作やイベント主催など、フリーランスでマルチに活躍する山下諒さん。隔週水曜夜、各分野で活躍中のゲストクリエイターや美大生を招き、山下さんがMCとなって、「創作」をテーマに、ツイッターの「スペース」や「オンラインセミナー」で語らう企画が「作リエ」だ。
連載では、スペースで出た話題から、エッセンスを抽出してお届けする。未来のゲストは、今この記事を読んでいるあなたかも?

   第28回のゲストは、ラジオDJ、Voicyパーソナリティ、経済ニュースキャスターと多数の肩書きを持つ、DJ Nobbyさん。テーマは「ラジオDJが披露『人の魅力を引き出すトーク術』 作リエMCを乗っ取って実演」だ。スペースアーカイブはこちらから。

  • ラジオDJ、Voicyパーソナリティ、経済ニュースキャスターと多数の肩書きを持つ、DJ Nobbyさん
    ラジオDJ、Voicyパーソナリティ、経済ニュースキャスターと多数の肩書きを持つ、DJ Nobbyさん
  • 多数のインディーズミュージシャンたちと一緒に、ラジオ番組だけでなく、リアルでも多数のイベントを手掛けている
    多数のインディーズミュージシャンたちと一緒に、ラジオ番組だけでなく、リアルでも多数のイベントを手掛けている
  • 「ビルボードライブ大阪」で行われた、「DJ Nobby’s OSAKA LIVE!!2017」の模様(壇上にいるのがDJ Nobbyさん)
    「ビルボードライブ大阪」で行われた、「DJ Nobby’s OSAKA LIVE!!2017」の模様(壇上にいるのがDJ Nobbyさん)
  • ラジオDJ、Voicyパーソナリティ、経済ニュースキャスターと多数の肩書きを持つ、DJ Nobbyさん
  • 多数のインディーズミュージシャンたちと一緒に、ラジオ番組だけでなく、リアルでも多数のイベントを手掛けている
  • 「ビルボードライブ大阪」で行われた、「DJ Nobby’s OSAKA LIVE!!2017」の模様(壇上にいるのがDJ Nobbyさん)

「相手に不安感を与えて」話を引き出す?

   「どうもこんばんは、よろしくお願いします」。出だしの一言だけで、山下さんとリスナーの心をさらりと掴んだDJ Nobbyさん。高校1年生(16歳)の時にラジオDJの世界へ飛び込み、キャリア26年目。数えきれないほどの対談経験を持つ「しゃべりのプロ」だ。

   幼い頃からラジオを聞くのが大好きで、「本業としてアナウンサーになりたかった」。当時はフリーランスでやっていく考えはなく、企業への所属を目指していたが、全て落ちてしまい、上京して銀行に就職。金融業に従事しながらも、「DJ Nobby名義」でラジオDJやナレーター、司会者としても活動を続けてきた。

ビールが大好きで、イベント時にはお茶目に「ビール仮装」も
ビールが大好きで、イベント時にはお茶目に「ビール仮装」も(左がDJ Nobbyさん)

   MCのプロをゲストに迎えるのは、「緊張する」と山下さん。今後の作リエに生かすべく、ずばり「人の魅力を引き出すトーク術」について切り込んだ。するとDJ Nobbyさんはまず、「人それぞれにスタイルがある」と一言。例えば、

・ゲストに寄り添い、安心感を与える
・ゲストをあえて怒らせる
・リスナーを置いてきぼりにして、「あの人たち楽しそうだな」という雰囲気だけを伝える

   こうした型が考えられるそう。DJ Nobbyさんは「どちらかというと、相手に不安感を与えて話を引き出す方向が多い」そう。ポイントは、間の使い方。さらに言えば「沈黙」の扱い方だ。どういう意味なのか、詳細はスペースにて(18:09~)。

   実際にプロの技を体感したいと、山下さんはDJ Nobbyさんに「作リエを乗っ取ってほしい」とまさかのリクエスト! そこで作リエ史上初、MCとゲストを一瞬だけ交代することに。

   山下さんを「最初の入りからして、ウィットに富んでいてすごい!めちゃくちゃ楽しかった」と大興奮させ、「おカネ」の話にまで切り込んだ、前代未聞の乗っ取りタイムの全容はスペースにて(22:20~)。

乗っ取りタイムは台本なし、事前打ち合わせなし......DJ Nobbyさんの手腕やいかに
乗っ取りタイムは台本なし、事前打ち合わせなし......DJ Nobbyさんの手腕やいかに

当時は強がって言えなかった、お金の話

    DJ Nobbyさんは40歳でフリーになり、今は「複業」をしている。ラジオDJは長らく趣味としてやってきたため、時間も金もかけたそう。

   並々ならぬ情熱が伝わるエピソードを一つ、披露してくれた。30歳から始めた、ミュージシャンを招く番組「DJ Nobby's TOKYO LIVE」についてだ。普通にやっていては誰も認めてくれないだろう、と思ったDJ Nobbyさんは、コロナ禍前まで年に1度のペースで、「有名ライブハウスやホールを貸し切り、番組に出演したインディーズミュージシャンたちをステージに上げる」取り組みを続けていた。

   ただ、そうした場所を満席にするのは難しく、満席になったとしても採算が取れない価格設定にしていたため、「当時は強がって言っていなかったんですけど、差額はほぼ自分でかぶっていた(笑)」そう。

「今から数えたら恐ろしいくらいの金額になるでしょうが...ある程度は投資という感じでやらないと、仕事としてかえってくることもなかったのかなと、今になって思います」

   すごい覚悟だ、と山下さんは驚いたが、DJ Nobbyさんは「自分では全然そう思っていなかった」と語り、温度差の面白さに触れた。夢中に勝る努力はないようだ。

「ビルボードライブ大阪」でのイベントの様子
「ビルボードライブ大阪」でのイベントの様子(前列中央がDJ Nobbyさん)

   スペース終了後の二人に話を聞いた。山下さんは「作リエ乗っ取りタイム」について、「話の展開もうまく、何よりイケボなのが羨ましい。MCとしてプロの洗礼を受けるのは非常に勉強になった」と大喜びだった。得た気づきを次回から徐々に生かしていくそうだ。

   DJ Nobbyさんは、これまで自分のキャリアについてここまで話したことがなく、己のインタビュースキルを客観的に評価したこともなかったという。

「やはり、誰かに自分のことを聞いてもらえるという環境はすごく貴重なものですし、自分が普段やっている活動の振り返りにもなりました」

   クリエイターとして作品を発信するだけではなく、「自分自身の事に興味を持ってもらうということ」も大事にしていきたい、と話した。

   作リエ恒例「仕事をする上で最も大事にしている、クリエイティブの柱とは何か」という質問に、「人を下げることをしない」と答えたDJ Nobbyさん。自らの作品で誰かを槍玉に挙げて数を稼ぐのではなく、「面白モノでも、どこか品があるもの」、「安心感をもって聞けるもの」を手掛け、細く長くやっていきたいと考えている。

   第29回作リエは、2023年9月20日実施予定。

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