「月見バーガー」が今年も帰ってきた。日本マクドナルド(東京都新宿区)は、「月見ファミリー」を2023年9月6日に発売した。
マクドナルドでは、「目玉焼き」を使ったバーガーが期間限定・定番ともに複数ある。中でも、ひときわ人気を集めるのが「月見バーガー」だ。J-CASTトレンドはフードジャーナリストの山路力也氏に取材、理由を分析してもらった。
日本人のDNAに訴えかける
「月見バーガー」以外にも、「てりたま」や「チーズロコモコ」、そして定番メニューの「エグチ」がマクドナルドでは、「目玉焼き」が入ったバーガーとして親しまれてきた。
1991年に初登場した「月見バーガー」はマクドナルドで定番の期間限定メニューとして、格別に愛されている。秋の風物詩として定着、他ハンバーガーチェーンが同時期に「月見バーガー」を出すほどだ。
目玉焼きを使っているバーガーが複数ありながら、特に「月見バーガー」が人気を勝ち得ている理由とは。山路氏は、「日本人における『月見』の風習文化は、一説によれば平安時代まで遡ると言われている」としたうえで、
「日本人のDNAに訴えかける『月見』とネーミングした事が勝因でしょう」
こう分析している。
提供側にとっても、「月見バーガー」は享受できるメリットが大きいようだ。山路氏によると、飲食店のシーズナルメニューは季節感の演出として不可欠であるものの、どうしても旬の食材を使わざるを得ず、食材調達の面でロスなどのリスクが生じる。しかし、鶏卵は価格も含めて通年で安定的に仕入れることができるばかりか、
「ただの目玉焼きであるにもかかわらず、秋の風物詩でもある『月見』と結びつけることで季節感の表現にも成功しています」
という。