推定値は実数に近い
新型コロナは、5月8日に感染法上の扱いが2類から5類に下げられ、「インフルエンザ並み」となった。感染者数の把握や公表も、それまでの「毎日、全数公表」から、全国約5000の定点医療機関からの報告をもとに、「毎週一回、1週間分をまとめて公表」に変わった。しかも公表数字が、「1医療機関あたり」になっているので、実際のところ全国および各都道府県で何人ぐらいが感染しているのか、きわめてわかりにくくなっている。
名古屋市立大の間辺利江准教授らの研究グループは、過去の感染データなどを踏まえて独自に推定実数値を算出。その結果、推定患者数及びその解析結果は、実数のものとほぼ変わらないことを確認し、8月1日から公表している。
CBCの取材に対し間辺准教授は、研究のきっかけについて、「今までと同じような(感染者数の)情報が出ていれば、それを元に、今はこうしようとか、フレキシブルな対応が自分で考えてできるんじゃないか」と語っている。
最近、全国の多くの大学で次々とデータサイエンス学部が設立されているが、名古屋市立大データサイエンス学部は2023年4月に設立されたばかり。新型コロナについて早々と、一般国民にも分かりやすい形で研究成果を公表することに成功している。