「旧日本軍施設」VRで超リアル 「もはや実写」を生み出す3D化技術

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VRで廃墟を残す

   フォトグラメトリーは「写真素材が命」と、とこよしさん。まずは3D化する対象のスポットを移動しながら、何枚も小刻みに写真を撮影する。

   撮影写真はフォトグラメトリー用のソフトウエアに入力。たとえば壁のシミなど、写真を特徴づける「特徴点」という部分を自動で認識する。ソフトは特徴点を参考に、写真同士の位置関係を分析し空間の形や大きさを計算。3Dモデルが生成されていく。

   写真同士の位置が遠すぎると、3Dモデル化時に見た目が不自然になる。「撮影間隔をなるべく狭くするのがコツ」とのことだ。その後形状やテクスチャ(質感)を自分で細かく手直しして、ワールドを作る。

   とこよしさんは、大学時代は建築学科で学んでいた。ワールド作りを始めたのは、卒業研究がきっかけだ。建築とVRをテーマに考えていたところ、VRChat上でフォトグラメトリーのワールドがあるのを知った。

   このとき「VRに廃墟を残しておけば、いつでもどこでも(廃墟に)行ける」と考え、卒業研究の一環として制作に着手したという。そうして2021年5月に公開したのが、東京・奥多摩町でかつて運行していたロープウェーの廃駅「みとうさんぐち駅」だ。

   自作ワールドにVR上の友人や他のユーザーが訪れている様子を見るのが、「めちゃくちゃうれしい」。そう感じたのが、現在もフォトグラメトリーワールドの制作を続けている理由のひとつだ。

   廃墟以外にも、たとえば滋賀県大津市内にある壁面のストリートアートが印象的な高架下の風景など、B級スポット(一風変わった観光地)をフォトグラメトリー化して公開しているとのことだ。

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