真夏の海水浴でお漏らし寸前 気温30度超えも「冷え」どうして

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【連載】お腹トラブル天国と地獄 ~運命の選択~

   20代の男性・悠平さんは、友人と海水浴へ。時間を忘れて泳いでいると、腹痛と下痢に襲われてしまいます。せっかくの楽しい時間で、絶体絶命に。回避するためにはどうすればいいのでしょうか。

  • 泳ぎ続けていたら、予想だにしていない大ピンチに
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こまめに浜辺に上がっていたが...

   海水浴場に到着すると、友人たちとすぐに海に入る悠平さん。シュノーケリングで遊泳を楽しみます。当日は、真夏の炎天下で気温も30度を超える真夏日。熱中症が心配なので、こまめに浜辺に上がり水分補給も行っていました。休憩もそこそこに、水を飲んだらまたすぐ海の中へ......。朝から海に入り、気がつけば昼過ぎまでほとんどを海中で過ごしていました。

   友人たちと「もう少し沖の方へ」と泳ぎ出したとき、突然、悠平さんに異変が起こります。痛みとともにお腹がゴロゴロと鳴りだし、少しでもお尻に力を入れたらうんちが漏れてしまいそうです。なんとか海から上がり、超特急でトイレへ。体調不良なども特になかった悠平さん、どうしてこんなことに?

   実はこの日の行動で、「落とし穴」がありました。海水浴中の突然の腹痛と下痢を起こさないために気をつけるべきなのは、「まとまった時間の休憩をとる」「海に入る前に準備運動をする」のどちらでしょう。

休憩時間を確保して腹痛を予防

   今回、悠平さんが腹痛を起こした原因は、冷えによるもの。真夏の炎天下とはいえ、海の水温は30度程度で体温よりは低いです。つまり、水中にいるとどんどん体温が奪われてしまいます。ほとんど休憩をせずに海の中に長時間いたため、体温が低下しお腹が冷えて急激に腸が動き出し、腹痛と下痢を起こしてしまったと考えられます。

   体温低下を起こさないためには、海から上がり体温を調節する時間を持つことが大切です。定期的にまとまった休憩をとるようにしましょう。ランチ休憩やおやつ休憩などを含めて、1時間に10分程度を目安にするのがおすすめです。

   こまめな水分補給休憩は熱中症対策のために必要ですが、「水を飲んで終わり」では低下した体温を元に戻せません。

   準備運動をすると血流が促され、一時的に体温は上昇する可能性がありますが、海に入ってしまえばすぐに元に戻ります。水の事故を防ぐために準備運動は必須ですが、それと共に、お腹のために休憩時間を確保してください。

休憩するならレジャーシートで!

   2008年に米フロリダ大学が発表した研究では、海水浴で水中にいる時間が長くなるのと比例して、胃腸疾患を起こす可能性が高まることが示唆されています。

   水中だけでなく、濡れた砂浜の上に座りつづけることもリスクを高める原因かもしれないそうです。これはお腹が冷えるからではなく、水中や砂浜に含まれているカモメなどの糞便由来の微生物による感染などが関係しているのではないか、と言われています。

   海水浴にいくときは、休憩できるようにレジャーシートなどを持っていきましょう。

(文・イラスト:長瀬みなみ)

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