震災犠牲者の1~数%は「殺されていた」
関東大震災で「殺された人」はどれくらいいたのか。
2008年に内閣府の中央防災会議専門調査会が「災害教訓の継承に関する専門調査会報告書」を作成、以下のように記している。
「関東大震災時には、官憲、被災者や周辺住民による殺傷行為が多数発生した。武器を持った多数者が非武装の少数者に暴行を加えたあげくに殺害するという虐殺という表現が妥当する例が多かった。殺傷の対象となったのは、朝鮮人が最も多かったが、中国人、内地人も少なからず被害にあった」
「殺傷事件による犠牲者の正確な数は掴めないが、震災による死者数(約10万5000人)の1~数%にあたり、人的損失の原因として軽視できない」
「自然災害がこれほどの規模で人為的な殺傷行為を誘発した例は日本の災害史上、他に確認できず、大規模災害時に発生した最悪の事態として、今後の防災活動においても念頭に置く必要がある」
関東大震災で「殺された人」が多数いたことを明確に認めている。「福田村」の被害者は、そのごく一部ということになる。再発防止についても言及している。