「長野県阿智村」メタバース商店街に挑戦 地方の「強力な武器に」なるか

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   東京駅から、車でも電車でも4時間ほどかかる長野県阿智村。地域の事業者が所属する「阿智村商工会」は今後、メタバース上に仮想の商店街「阿智村メタバース商店街」を制作する。昭和30年代の、商店街が賑わっていた当時の様子を再現するという。制作技術面でのサポートを委託されている「未来創世塾」(名古屋市)が、2023年8月21日に発表した。

   現在の参加予定事業数は製造、飲食、サービス、小売、旅館など14か所。運営費用はどうするのか、直接的な商店街の収益獲得はあるのか。同商工会のメタバース商店街事業担当・今井毅氏に取材した。

  • 「メタバース商店街」 写真はコンセプトアート(未来創世塾の発表から)
    「メタバース商店街」 写真はコンセプトアート(未来創世塾の発表から)
  • 昭和初期、賑わっていた阿智村「駒場宿」の様子(未来創世塾の発表から)
    昭和初期、賑わっていた阿智村「駒場宿」の様子(未来創世塾の発表から)
  • 「メタバース商店街」 写真はコンセプトアート(未来創世塾の発表から)
  • 昭和初期、賑わっていた阿智村「駒場宿」の様子(未来創世塾の発表から)

「本州の秘境」とも呼ばれるが

   今井氏によると、「当地は本州の秘境と言われるほどに不便な場所」。そんななか、インターネットにより世界中からいつでもアクセスできるメタバース商店街は、村や事業所の情報発信において「強力な武器になる」と考えている。プラットフォームは、「Spatial(スペーシャル)」を利用する。

   メタバースでの、アバターによるリアルなコミュニケーションを通して、単なるウェブサイトとは異なる情報発信や、来訪者との交流により自社・自店のファン獲得につなげる効果を期待しているとのことだ。

   加えて、メタバースという新たな技術の活用により、参加事業者のIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)化への意識が高まれば、今後の事業の経営改善にも役立つとの考えがある。

   メタバースによる、直接的な商店街の収益獲得は現状考えていない。運営費用は村の補助や独自予算でまかなう。当面は参加事業所の製品サービス紹介、事業者の基本情報などの発信が主な目的だ。

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