米アップルの新型iPhoneの発表が、近づいてきた。うわさレベルだが、インターネット上では「iPhone 15」のスペックや値段に関する情報や画像が続々と出ている。
近年のiPhoneは驚くような新規性は少なく、新モデル発表後に肩透かしとなることもあった。2020年以降発表のiPhoneの変化を、振り返ってみよう。
アップル共同創業者「違いがわからない」
2020年10月以降、順次発売されたiPhone 12シリーズ。前シリーズ「11」との大きな違いは、標準モデルに比べて小さいサイズの「mini」が登場し、4種類のモデルでの発売になった点だ。性能面では、全モデルで5Gに対応。マグネット式のワイヤレス充電システム「MagSafe」が使えるようになった。他にも、カメラやチップ、有機ELへの変更などで進化を遂げた。
性能よりも、わかりやすいのは「デザイン」だ。「11」までの角を排したラウンド型ではなく、iPhone 4や5で見られたような、ある程度角ばったスクエア型に戻った。
これらの変更は大きなものだった。IT系ネットメディア「GIZMODO」20年10月14日付の記事見出しは、「iPhone 12 Pro出た! 背面カメラと画面の進化がヤバい!」。また東洋経済オンラインは同15日付記事タイトルに、「超絶進化」との語句を入れている。
一転、21年9月に発売されたiPhone 13シリーズでの変化は少ない。米メディア「Yahoo! Finance」の同年10月30日の記事では、アップルの共同創業者スティーブ・ウォズニアック氏がiPhone 13を酷評。「違いがわからない」「ソフトウエアは古いiPhoneでも使えるだろう」と述べている。
変化に乏しかった現行モデル
2022年10月以降に順次発売された、最新の14シリーズではどうだろうか。「14 Pro」ではノッチに変化が見られ、「12」、「13」で登場した「mini」が姿を消し、「Plus」が登場した。だが、機能面で目立つような変化はなかった。
テクノロジー系メディア「WIRED」は、10月17日の記事で「iPhone 14は『史上最高のiPhone』だが、わかりやすい進化は遂げていない:製品レビュー」とタイトルをつけている。さらに、「日経クロステック」9月15日付記事でも、「『iPhone 14』個人的には楽しみだがユーザーには変化が分かりにくい」という見出しをとった。
J-CASTトレンド2022年10月7日付記事では、ITジャーナリストの富永彩乃氏に取材。iPhone 14シリーズの需要が下がっている背景を分析してもらった。
富永氏は下位モデルの「14」「14 Plus」について、主な進化点が「カメラ程度」だと指摘。「変化の少なさから、『14』を買うよりも9月に値下げされた『13』を選ぶ消費者が多いのではないかと語る」とあり、消費者のシビアな評価が垣間見える。
USB-C「実質確定」の報も
ここまで振り返ると、端末の中身が最後に大きく変化したのは、20年発売のiPhone 12シリーズと言えそうだ。それから早3年。大きな進化を期待する声は、少なくない。
今秋にも発売とみられる「iPhone 15」シリーズは、多くのメディアが予想、リーク内容を報じている。中でも、「USB-C」端子の搭載や、「iPhone 15 Ultra」という新型の登場、端末価格の値上げに注目が集まっている。特にUSB-Cの搭載は、多くのユーザーの「悲願」かもしれない。
米メディア・ブルームバーグのマーク・ガーマン氏は、2023年2月5日のニュースレターで「iPhone 15は、2023年秋にUSB-Cを搭載するのが実質的に確定している」と伝えている。