メタバース使うメリットは
不登校生徒の居場所支援にメタバースを用いるメリットは何か。水瀬さんによると、同法人ではオンラインによるアクセス性や、アバターを使用したコミュニケーションのリアリティー、そして顔を隠して参加できる「匿顔性」に重きを置いている。
水瀬さんによれば、不登校生徒にはもともとフリースクールなどの支援体制が用意されてはいるものの、外へと出向く、また知らない人との対面による会話が求められるケースが多い。不登校の当事者が外出や対面コミュニケーションに対応できなければ、ただ引きこもらざるを得ないことがあるという。
「メタバースの特性はそれらを突破する可能性がある」――。水瀬さんはこう捉えている。自宅から参加可能で、顔を隠しながらもVRアバターを用いて、現実のような身振り手振りや、表情のあるやりとりが可能とのことだ。
広島を対象に実施した前回のプログラム参加者からは、最初は緊張したとの声がったものの、最終的には「もっといろいろなことをやりたかった」「またここに来たいと思う」「終わってほしくない」との感想が寄せられたという。
「最終的には誰がスタッフで誰が参加者か傍からは分からないくらい打ち解けていただけました」(水瀬さん)
今回のプログラムの参加者は9月10日まで募集。8月11日と9月9日にはそれぞれ、ビデオ会議ツール「ZOOM」による説明会を行う。先述通り募集人数は20人だが、応募者多数の場合は抽選となる。