新型コロナ「注意報」「警報」設定か 定点把握だけでは危機感伝わらない

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   新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。そんな中で、政府は感染状況について注意を促すため、「注意報」や「警報」などの指標を設定・発令することを検討している。これは、地方自治体や医療関係者から、「定点把握」による現状の感染状況の発表では、危機感が伝わらない、という不満が寄せられていることに対応したものだ。

  • 予防を怠らないほうがよさそうだ
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インフルエンザでは設定

   毎日新聞によると、厚生労働省は2023年8月4日、新型コロナウイルスの感染の警戒レベルを示す基準の設定を検討すると明らかにした。この日あった新型コロナウイルス感染対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード」(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)の会合で示した。

   新型コロナの感染症法上の位置づけは5月8日、季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。それまで感染者数は「毎日、全数発表」だったが、移行後は、「週一回、定点把握」に変わった。

   同じ5類のインフルエンザも定点把握だが、1医療機関当たりの感染者が10人を超えたら「注意報」、30人を超えたら「警報」といった警戒レベルが設定されている。コロナは何も設定されていない。このため関係者からコロナについても目安を求める意見が上がっていた。

   毎日新聞によると、厚労省は「専門家の意見を踏まえ、早く方針を示せるよう検討を進める」としている。

「第9波」の危機感

   厚生労働省は8月4日、全国約5000の定点医療機関から報告を受けた7月24~30日の感染状況を公表した。それによると、この1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数は計7万8502人。前週比は1.14倍で、5類移行後、11週連続で増加している。1医療機関当たり15.91人。特に九州で多く、佐賀31.79人、長崎30.29人と、インフルエンザの「警戒」レベルを超えた。

   こうした中で、静岡県は独自に「警戒警報」を発令した。静岡県の感染者数は16.92人。

   静岡朝日テレビによると、静岡県感染症管理センターの後藤幹生センター長は4日、「県では独自に16人以上を感染拡大警報レベルと設定している。ぎりぎり16人を超えて来たので、今週初めて感染拡大警報レベルとなる。第9波もここから急に増えてくるという可能性はある」と語った。

   現在のコロナの感染状況について、すでに愛知県や高知県は「第9波」ととらえているが、静岡県も同じ認識で危機感をあらわにした。

感染者は5月上旬の約10倍に

   都道府県が独自に「警報」を出す動きは加速している。

   徳島県は7月末から、定点当たりの感染者数が5人以上で「注意」、10人以上で「警戒」、20人以上で「厳重警戒」、30人以上で「警報」レベルとすることを決めた。8月3日段階では、県ウェブサイトに「警戒」と表示されている

   TOSテレビ大分によると、大分県も8月1日から県民に分かりやすく流行状況を知らせる独自の基準を設け運用を開始した。インフルエンザの基準を準用したもので、定点あたりの感染者数が30人以上で「警報レベル」。10人以上で「注意報レベル」としている。

   2日現在、大分県の1医療機関あたりの平均患者数は24.33人。現在の方法で統計を取り始めた5月の時点と比べると約10倍に増えている。県全体では「注意報レベル」。県の東部と南部では「警報レベル」に達していることを色分けしてウェブサイトで告知している。

   大分放送によると、県はこの独自基準を暫定的な措置としていて、全国統一の基準を設けるよう国に求めているという。

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