コロナ感染に愛知、高知が危機感 「第9波」でも国は強い対策打てない

数を数えて、公表するだけ

   コロナの感染状況については、日本医師会の釜萢敏常任理事が7月5日、定例会見で、「現状は第9波になっていると判断することが妥当」との見解を示している。

   しかし、新型コロナウイルス対策を担当する後藤茂之経済再生担当相は同月7日、「政府として、今の段階で新しい流行の波が発生しているというふうに認識しているわけではない」と述べ、流行の「第9波」に入ったとの見方を否定した。

   ただし、仮に「9波」ということになっても、感染法上の扱いはすでに「5類」に変わっているため、国は特別の方策をとることができない、と指摘する専門家が多い。「インフルエンザ並み」の対応が原則で、「第8波」までのような強い措置は難しい、というものだ。

   感染症が専門の神戸大学・岩田健太郎教授は7月29日、読売新聞で、「厚生労働白書には5類感染症の『主な対応』として、『発生動向の収集把握と情報の提供』としか書いていません。要するに『数を数えて、公表するだけ』ですから、これでは、感染拡大は防げません」と語っている。

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