スマホの電池切れは命取りに
そしてキャッシュレス化が進んだ結果、上海や深センのような大都市では銀行のATMが激減していた。コロナ禍前だと地下鉄の駅にだいたいATMがあったが、ほぼ撤去されており、代わりに別の自販機かモバイルバッテリーのレンタル機器が置かれていた。
そう、昭和の公衆電話かそれ以上の数量で、モバイルバッテリーレンタル機器が街の至る所に設置されていた。
少なくとも宿泊した全ホテルにあった。予約や利用申し込み、決済、あるいは地図も全てスマホに一元化されたら、スマホの電池切れはライフラインの断絶と同義なのだ。
ちなみに、ここまで紹介してきた数々のサービスのほとんどは、外国人旅行者は使えない。オンラインで予約し、QRコード決済するサービスは基本的に実名制を導入しており、アプリと中国の携帯番号あるいは中国の銀行口座と連携していることが求められる。
マッサージチェアや花屋くらいなら使えなくても困らないが、世界遺産のような観光地の入場チケット、有名観光地近くのコインロッカーも同様なので、公式サイトや日本語のガイドで「コインロッカーあり」と示されている観光地に行ってみたら、コインロッカーは中国のQRコード決済にしか対応せず、有人の荷物預かり所もない、なんてこともあった。
至る所にあるモバイルバッテリーレンタルも同様。初回利用の際に中国の携帯番号とデポジット(保証金)が必要なので、外国人旅行者は自前のモバイルバッテリーを持ち歩かなければならない。