海外ひとり旅で急に便意 言葉わからずトイレに入れず大ピンチ

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【連載】お腹トラブル天国と地獄 ~運命の選択~

   30代女性のはるかさんは、海外旅行が大好き。今回は、ベルギー・ブリュッセルへひとり旅に出かけました。市内観光の途中、突然激しい腹痛と便意に襲われてしまいます。公衆トイレへ駆け込むと、海外ならではの習慣で危機一髪。はるかさんの運命は。

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あわや「漏らす」寸前

   日本を夜に飛び立ち、早朝にブリュッセルに到着したはるかさん。日本とベルギーの時差は約7時間ありますが、ブリュッセルの早朝は日本時間でも昼過ぎにあたり、まだまだ元気です。到着直後から街に繰り出し、積極的に観光を楽しみました。その夜は、時差ボケで寝つきが少々悪かったものの、海外旅行ではいつものこと――。

   普段から便秘ぎみのはるかさん。海外旅行先では特にそうなりがちですが、帰国すると改善していました。この日の朝は少し寝坊しましたが便意は特になく、トイレタイムも早々に切り上げました。急いで身支度をしてホテルを飛び出します。

   ベルギーといえばビールが有名。昼からビールを飲みつつ、アルコールで気分がよくなったところで、ブリュッセルの街中を散策することに。歴史的な建造物や、有名な小便小僧のブロンズ像を見物しながら街歩きを楽しんでいました。すると、突然腹痛と便意が......。

   道行く人に、つたない英語とジェスチャーでトイレの場所を教えてもらい、なんとか最寄りの無人公衆トイレへ走ります。しかしここで事件発生!欧州の公衆トイレは、ほとんどが有料です。はるかさん、チップを払おうとして財布を出すと、コインがありません。入り口は無人で、お釣りをもらう交渉もできません。

   そんなことはお構いなしに迫り来る便意と、だんだん強くなる腹痛。旅先とはいえ、絶対にうんちを漏らしたくない。

   追い込まれたはるかさん。通りがかりの女性にジェスチャーで必死に訴えかけます。すると、親切にも50セント硬貨をトイレの入り口に入れてくれました。お礼もそこそこに個室に駆け込み、なんとかセーフ。

   その後は腹痛などもなく、ベルギー旅行を満喫できたそうです。それにしても、知らない土地や異なる文化圏での突然の腹痛と便意は困りもの。今後、はるかさんがこうしたお腹トラブルに悩まされず海外旅行を楽しむためには、「夕方以降に到着するフライトを選ぶようにする」、「飛行機の中で下半身のストレッチを行う」の、どちらを取り入れたら良いでしょうか。

体のリズムに合わせた旅程で対策!

   旅行で便秘になる原因は、食生活や生活リズムの違いなどさまざまです。特に海外旅行では、時差によって睡眠のリズムも不安定になるため、自律神経の乱れによって便秘が起こりがちになることも。今回のはるかさんの腹痛と便意のはっきりとした理由はわかりませんが、時差ボケによって自律神経が乱れたところにビールのアルコールがダメ押しとなってしまった可能性があります。

   時差ボケは、自律神経によって動く臓器のはたらきにも大きな影響を与えます。時差がある場所への移動でお勧めが、「夕方以降に到着するフライトを選ぶようにする」。夕方~夜に到着してすぐに就寝すれば、体内時計の乱れを最小限に抑えられます。飛行機の中では、現地の時間に合わせて過ごすようにすることも望ましいです。

   長時間フライトでは、特に下半身の血流が悪化して、足のむくみや痺れを起こすことがあります。悪化すると血栓ができてしまうことも。「飛行機の中で下半身のストレッチを行う」は、これらの予防には最適です。一方で、はるかさんが経験したような「突然の腹痛と便意」を防ぐとは言えません。

時差ボケは体重増のもと?!

   時差ボケは、自律神経の乱れによる排便異常だけでなく、腸内細菌のバランスにも影響を与えることがわかっています。腸内細菌のバランスが一時的に乱れると、脂肪をため込みやすい状態になり、いつもより太りやすい状態になるのです。

   食事は旅先の楽しみのひとつですが、時差ボケのまま旅行を楽しむと、帰る頃には体重が恐ろしいことになっているかも。便秘以外の面からも、時差対策はしっかりとっておきたいですね。

(文・イラスト:長瀬みなみ)

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