音楽をCDで聞かない時代
JO1の「CD GOODS」は、QRコードから音源をダウンロードするのではない。QRを読み取ると、各種音楽ストリーミングサイトが掲載されたページにアクセス、登録しているサイトで楽曲再生ができる。または、グッズを専用アプリから読み込んでAR(拡張現実)再生ができる。いずれにしろ、ダウンロード数としてはカウントされないので、当然それに基づいたランキングには反映されないはずだ。
さらに「CD GOODS」の場合、販売先や、販売期間が限られている上に、購入数制限もある。加えて、そもそもファンであれば、「CD GOODS」を購入する・しない以前に、自発的に曲を聞く人が多いだろう。これらの事情から、グッズが売れてもストリーミング回数が劇的に増えるわけではないと考えられる。DJ泡沫さんが「CD GOODS」について、「チャートを狙ったものではない」と位置付けたのは、このためだ。
では、グッズに曲を付けて売る意味とはなんなのか。
「CDを売っても、CDで聞かない時代になってきたからではないでしょうか」
とDJ泡沫さん。この発想から「CD GOODS」が生まれたのではないかと推察、ファンサービス的な一面があるのではないかと話した。ファンの反響を見ても、使いやすい日用品であるうえ、QRコードがついているため、見せたり、貼ったり、あげたりすることによる楽曲の「布教(ファンが他者に宣伝する行為)」が容易にできると喜ぶファンも多い。ただ、「布教」から聞く人はいるだろうが、グッズの数が限定されていることやその手間から、やはりチャートに与える影響は大きくないだろうというのがDJ泡沫さんの見解だ。一方で、こうした試み自体、日本では珍しいという。
なお「CD GOODS」は、「曲のプロモーションのため」東京・渋谷にオープンしたポップアップショップでも購入できる。韓国では、K-POPアイドルの新曲リリース時に見られる。
「ランキングを狙わない」こうした販売方法は、定着するか。DJ泡沫さんは、ファンは「成績」にこだわるので難しいかもしれないと考える。半面、ポップアップストアは他のグループでも取り入れる可能性はあるとした。