「国境なき医師団」メタバースに登場 「活動知って」ブースにはゲームも

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ユーザーとの新しいコミュニケーション

   なおウイルスの1匹は、テント外側のヘリポート台の上にいる。ここに上るには、石材を積み上げて踏み台を作る必要がある。傍の説明書きには「石段で道を作って上にあがろう!」とある。

   川原崎氏によると、SNS上で「医師団(いしだん)」と「石段(いしだん)」をかけているのかとツッコミが入ることがある。実際のところ、団体に親近感を感じてもらうため、意図的にダジャレを仕込んでいると明かした。

   先述通り、MSFでは活動資金の9割以上が民間からの寄付だ。このため政府や特定の団体、宗教の影響を受けず、国際的な援助の届きづらい地域にも無償で医療を提供できるという。

   こうした寄付をしたり、世界の人道的危機に関心を寄せたりするなど、紛争や災害、感染症の発生時に「みなさまにもできることがあることを思い出してほしい」。これも、出展を通して伝えたいメッセージだ。

   岡田氏によると、MSFの支援者には年齢が高い人が多く、若年層に拡大したいとのねらいがあった。その点、Vketには20~30代の男性が多いというのも出展の背景にある。SNSには団体について「(ブースに行くまで)知らなかった」と感心したような投稿が出ており、出展の目標はある程度達成できているのではないかと手ごたえを語る。

   ブース内では実際に一般来場者に応対し、ブースの説明をすることも。広報活動においてMSFではあまりインタラクティブ(相互的)な手段を有していないとのことだが、「新しいコミュニケーション方法として(メタバースを)使えているかなと思います」。

   世界中に医療支援を行う同団体。周知活動を行うなかで「若干とっつきにくい話」もあるが、Vketではミニゲームの設置などやわらかい雰囲気のなかで来場者が話を聞いてくれるのではないかと所感を語った。

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