声優・野島裕史に聞く「今求められる演技」とは キーワードは「引き算」

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作品は声優だけが作っているわけじゃない

   声優と言えば「花型のイメージ」と山下さん(55:18~)。すると野島さんは、「昔は声優は裏方だった」と振り返り、こう続けた。

野島さん「作品はみんなで作るものだから、アニメ作品一つにしても、声優ばかりではなく、絵を描く人、音を付ける人...色々な人にスポットライトを当ててほしいですね」
山下さん「映像を作っていて、声を吹き込まれると『命が吹き込まれている』と体感します。同時に、野島さんが裏方の人たちに気を遣ってくださるのはありがたいです」

   スペース終了後の二人に話を聞いた。野島さんは、会話しながら自身を振り返ることで初心を思い出せたそう。映像作家である山下さんとの対談を通じ、「クリエイターの仕事に就いている人間というのは、皆なにかを生み出したいエネルギーに満ちていて、ジャンルの垣根を越えて志や思いは一緒なんだと思いました」と語った。

「特に日頃関わっているアニメーションの現場は声優が表に立つことが多いですが、本当に多くのクリエイター集団によって生み出されているということを、改めて伝えていきたい」(野島さん)

   野島さんはスペースで、小学生時代のあるエピソードを披露していた。花火をしようと思い立ったが、自分一人のおこづかいではちょっとしか買えない......。「どうやったらもっとたくさん楽しめるか」と考えた結果、近所を巻き込む「花火大会」企画を立てたのだ。各家庭から参加料500円を募り、チラシを10枚作って情報発信したところ、「4000円くらい集まり、なかなかの量の花火が買えた」。

   何でも「どうやったら楽しめるか」を考え、面白がる。誰かと力を合わせて一つのものを作り上げる楽しさを知っているからこそ、野島さんは「みんな」に思いを傾けるのだろう。

   山下さんも、「声優さんだけでなく他のスタッフにも注目してほしい」という野島さんの言葉に力をもらったようだ。

「自分自身も『作品はひとりのチカラではなく、みんなのチカラで作り上げている』を改めて実感できる良い時間でした」(山下さん)

   第26回作リエは、2023年7月19日実施予定。

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