在宅診療所「メタバース」空間にオープン 匿名で病状や健康相談できる

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気軽に会えるメタバースを通じて

   音声とテキストによるチャットを通して診察や相談ができる。利用は無料だ。終末期のがんや重度の精神疾患を抱える人をはじめとして、日常的な健康相談や栄養相談など、幅広い内容の面談を受け付ける。すでに7月6日に一度、実際にメタバース内で健康相談についての対応をしたという。

   山中院長は、この空間の役割のひとつとして、「若い世代で引きこもっている方々が外と触れ合えるきっかけになれば」と語る。

   院長によると、同診療所の患者は約2割が重度の精神疾患を抱え、外に出られず引きこもっている人もいる。ただ引きこもり状態の人でも、メタバース空間やオンラインゲームの利用を通して、他者と関係を築いているケースが多いという。そこで、メタバースの診療所という手段を通じて、気軽に悩みや疾患について相談できる場をつくりたいと考えた。

   相談内容によっては、訪問診療やクリニックへの来院によるリアルでの診察につなげていく。

   また、しろひげ在宅診療所では、患者や家族による交流会を開いたり、地元の祭に参加したりと、地域とのつながりを重視しているという。メタバース空間でも花火大会や交流会といったイベントを定期的に開く方針とのことだ。ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者など、同じ難病や悩みを抱える人同士が集まってコミュニケーションをとる機会を設けることも考えている。

   患者数がどれだけ増えるか、という数字的な目標は定めていない。イベントの実施を通して患者や家族、さらに介護士、ケアマネージャーといった関係職種の人々がつながる場にしていきたいと語った。

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