コロナ感染者増でも空気ゆるんだまま 「定点把握」で緊張感伝わらない

全国患者数の推計も公表されず

   鹿児島県では、6月30日発表されたインフルエンザの1医療機関あたりの1週間の報告数が、全国最多の18.09。新型コロナは沖縄に次いで全国2番目に多い11.71人。インフルについては、「10」を超えた6月22日の時点で「注意報」が出ているが、コロナについては発令されていない。

   鹿児島の南日本新聞は、「新型コロナの場合は、感染対策を呼びかける根拠となる基準はない。厚生労働省が検討を進めているが、担当者は『コロナは今後の流行の状況が分からず、インフルのようなデータの積み重ねもないため、簡単には定められない』と説明した」と書いている。

   朝日新聞によると、インフルでは国立感染症研究所が週ごとに全国患者数の推計を公表しているが、コロナでは示していない。同紙は、「(定点把握の仕組みが)安定的に動くまでは、安定した推計を出せない」とする感染研の考え方や、「警報」「注意報」などの指標については「引き続き検討していく」という厚生労働省のスタンスを紹介している。

   厚労省は6月30日、前週1週間の全国の定点医療機関あたりの患者数を公表した。それによると、その前の週の5.60人から約1.09倍の6.13人に増えた。7週連続で増加している。

   共同通信によると、日本医師会の釜萢敏常任理事は7月5日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染が沖縄県など九州地方で拡大している状況に懸念を示し「現状は第9波になっていると判断することが妥当だ」と述べた。

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