別人の顔写真が入ったマイナンバーカードを誤って交付――。このようなミスの発生が、各地の自治体で相次いで発表されている。
近ごろは他人の情報が誤って公金受取口座やマイナ保険証にひも付けられるトラブルが話題だが、他人の写真が登録されたマイナンバーカードが手元に届く事例があるようだ。
写真管理や確認のミスで
たとえば大分県佐伯市。2022年11月から2023年1月にかけ、誤った写真で作成したマイナンバーカードを申請者に交付した事案が2件(3人)あった。また誤った写真でカードを作成し、交付前に間違いが判明した事案も2件(3人)起きたという。23年6月20日に発表した。
申請手続きに対し、職員が誤って別人の写真を申請書に添付し、カード発行を行う「地方公共団体情報システム機構」に送付するなどしたとのことだ。原因については「写真の管理が適切に行われていなかったため、誤った写真を添付してしまった」「申請手続きについて複数人での確認作業を怠ったことも原因」としている。
島根県安来市。2023年1月19日付読売新聞オンラインによれば、こちらでは同姓同名の市民2人から同じ日にマイナンバーカードの申請があり、職員が写真を取り違えて交付したミスが起きたという。
岐阜新聞(電子版)の23年6月6日記事でも、各務原市が誤った写真のマイナンバーカードを発行した事例を報道。2月に受け付けたカード発行の申請書類に、直前に受け付けた別の70代男性の顔写真を委託業者が貼り付けたことで間違いが起きたという。
ミス防止マニュアル徹底させていく
6月2日付夕刊三重新聞(電子版)によれば、松坂市は2月、誤って1組の夫婦間で夫のマイナンバーカードの申請書に妻の写真を添付した。これ自体は担当の委託業者がその場で気付いたが、後日、再申請手続きをした際、今度は別の夫婦の夫の写真を添付して交付してしまったという。
再申請手続きの時に「夫婦で来ていた夫」という委託業者な記憶をもとに登録したところ、誤って別の夫婦の夫の写真を選んでしまったとのことだ。
大分県臼杵市は6月21日、マイナンバーカードに別人の顔写真を載せて交付する誤りが2件、計4人分あったと発表した。こちらでは申請の処理時に、同時に申請をした姉妹間の写真の取り違えや、同じ高齢者施設から申請した利用者2人の間で写真の取り違えがあったとのことだ。
デジタル庁広報に取材した。複数の自治体で写真の取り違えが起きているのは、確認ミスや手違いといったヒューマンエラーが原因だと説明。各自治体にはマイナンバーカードの申請対応について確認するべきポイントを明確にするなどわかりやすいマニュアルを徹底し、間違いを減らすよう呼びかけているとした。