東京ビッグサイト(東京都江東区)で、XR(クロスリアリティ)やメタバースに関する展示会が2023年6月28日~30日、行われた。「第1回 メタバース総合展・夏」、「第3回 XR総合展・夏」だ。
VR(仮想現実)ヘッドセットやメタバースプラットフォーム、3Dプリンターまで、さまざまなジャンルの商品やサービスが展示された。
アバターがブースで接客
「メタバース総合展」では、仮想空間上で実在の都市を再現するサービスや、VTuber(バーチャルユーチューバー)事業を手掛ける会社などが出展した。
「Psychic VR Lab」(東京都新宿区)は、自社のリアルメタバースプラットフォーム「STYLY」を紹介。VRやAR(拡張現実)を使い、現実と3Dコンテンツが融合したかのようなエンターテインメント体験ができるサービスを提供している。
ブースに置いてある「PICO 4」というゴーグルを被ると、ゴーグルはカメラで会場を認識し、レンズ上に映像として記者の周りの風景を再現。そこにVTuber(バーチャルユーチューバー)が出現して踊りだし、空中に楽曲の歌詞が浮かび上がる演出が楽しめた。
同展示会では、VTuberと話せるブースが複数あったのが印象的だ。IT企業によるセミナーを運営している「マジセミ」(東京都港区)では、展示内のモニターでVTuberのcleaさんが接客。店員などがアバターの姿で働く「アバターワーク」について、来場者からの質問を受け付けていた。
VTuberやメタバース事業を行なうアクア(東京都港区)のブースでも、モニターに所属VTuberの城猪ケモさんが登場。時には英語も交えつつ、来場者と談笑していた。
「逆メタバース」って何だ
XR総合展では、現実とVRをつなげる技術に関する展示が多い。
3D空間のシミュレーションソフトを扱う「フォーラムエイト」(東京都港区)では、「VR360度シミュレータ」という体験型展示がインパクトあふれていた。
ユーザーはコックピットのような座席に座り、VRゴーグルを装着。すると、「海上を飛ぶ飛行機に乗ってのアクロバット飛行」を体験できた。座席は可動式で、機体の動きに応じて傾く。機体が旋回すると座席も回転するのだ。
スパイス(東京都港区)という企業は、ユーザーの全身の動きを追跡しコンピューター上に反映するモーションキャプチャシステムを実演していた。緑色のスクリーンを背景に特殊なスーツを着た女性は、ブース上のモニターでは写実的なアバターに置き換わって表示されている。指先の細かい動きまで、アバターの動きに反映されていた。
「逆メタバース」という聞きなじみのないフレーズを掲げるのは、3Dプリンターを販売している「SK本舗」(東京都渋谷区)だ。現実の家具などを3Dモデル化するのでなく、むしろユーザーが普段メタバース上で愛用している3Dモデルやアバターをフルカラーで3Dプリント。フィギュアとして、現実で飾るサービスを提案しているとのことだ。