京セラが、メタバース上に「京セラレーザーコンセプト製品バーチャル展示ブース」を開設する。同社が開発中のレーザー照明製品や、光を使って無線通信する技術「Li-Fi」を展示する。
遊園地のライドアトラクションのようなギミックも設置し、同社の最新技術について楽しく学べる。VR記者カスマルは2023年6月27日、プレス向けのツアーに参加した。
レーザーを光らせながら解説
京セラは自社のB2B分野について周知を進めるうえでメタバースを活用した展示に力を入れている。2022年11月には、自社の金属加工用工具や二酸化炭素排出量削減への取り組みを伝える展示ブースを公開した。
今回のメタバース空間では、レーザーによる光を通して京セラが考える新しい世界観を表現。海に囲まれ、近未来的な建造物を備えた島のようなワールドだ。
メインパビリオン(展示室)ではレーザー製品を展示しつつ、京セラ社員が技術に関する説明を行なった。レーザー照明を使った懐中電灯や、レーザーヘッドライトを21個集積させ遠くまで明るく照らせる試作中のライトなどについて、実際に光らせながら紹介していく。
特筆すべきは冒頭でも触れたLi-Fi技術。光通信といえば有線ケーブルによる「光ファイバー」を思い浮かべるが、この光を使っての無線通信も可能で、一般的な無線通信「Wi-Fi」よりも高速なのだという。ほかのメリットとして、外部からの傍受が難しく安全に通信できるほか、青色のレーザーを使えば、本来なら無線通信の届かない海中でも、通信が可能という。
水中に入るとそこには
「海中洞窟」のエリアでは、遊園地のアトラクションのように水上を進む「ライド」に乗れる。ライドは洞窟を抜け、滝や崖の傍を進んだかと思えば、そのまま水中へと深く潜っていく。ゆらゆら動く海藻や魚、メンダコ、さらにクリオネが見えてくる。
Li-Fi技術が実用化されるようになった未来の可能性を描いており、光無線通信によって制御されたドローンが水中の各所で作業をしている。ライド搭乗中には、Li-Fiやドローン、水中に出てくる生物に関する説明が流れる。
ゴールは、プレゼンテーション用のエリア。会場内のスクリーンに、京セラのレーザーに関する解説動画が流れる。Li-Fiは社会実装に向け、水中での有効性の実証実験を推進中とのことだ。
なお一般参加者に向けて、7月2日まで毎日20時、21時、22時にそれぞれガイド付きのワールドツアーを行う。