【連載】Z世代のトレンド研究
「Z世代」は、日々どんな情報に注目し、トレンドを追っているのか。
テテマーチ(東京都目黒区)マーケティング研究室「lookey(ルーキー)」のプロジェクトリーダー・川又潤子さんが、Z世代メンバー(同社定義:1995年から2010年生まれ)と共に、はやりのヒト・モノ・コトを取材。人気の秘訣をZ世代の視点で分析し、伝えていく。
連日、様々なAIが話題になっていますね。本連載では「Z世代が、AI(人工知能)サービスをどのように活用しているか」を紹介していきます。前回は、「ChatGPT」に加え、「MBTI診断」や「ストレングスファインダー」といった性格診断系AIにフォーカスしました。
今回は、デザインの勉強をしている「lookey」メンバーの川野太也(21歳)が、入力したテキストから自動でイラストを生成するAI「Dream」の魅力を伝えます。
複雑なお題も簡単にイラスト化
例えば、現実にはあり得ない「森に泳ぐ魚」という、複雑なお題をイラストにしたいなと思ったとき、「英語で『fish in the forest』と入力すると、『森』の中でまるで『泳ぐ』ような魚のイラストが出てくる」、と川野くん(画像2)。
川又:川野くんはこのAIをどこで知ったの?
川野:大学のゼミで「Dream」を使ってイラストを作るという授業があり、そこで初めてこのAIを触りました。
これまでは、良いアイデアやインスピレーションが湧くまで、YouTubeやPinterestを使って参考資料を探してデザイン制作していたといいます。今では、頭の中で描いた自分のデザインを、実際に形にするのが難しいと感じたときに、「Dream」で生成したイラストからアイデアのヒントをもらったり、デザインの参考として使ったりしているそう。
「Dream」は他のイラスト生成AIと比較して、無料で絵を描ける回数に制限がありません。好みのイラストになるまで何度も制作できます。さらに、画像の縦横の比率を直感的な操作で変えることができます。他の画像生成AIは、比率についてプロンプトを打たなければなりませんが、「Dream」ならその必要がなく、時短になります。
AIのプロンプト作成にAIを使う
近い将来、AIの発達によって「人間の仕事が奪われていくのでは」という議論が、よく見かけられます。川野くんは「『AIを使って人間が指示を出すことができている』点にこそ人間の価値があるので、仕事が奪われることはあまり心配していない」と語ります。
例えば、「Dream」で生成されたイラストに満足しなかったときに、「ChatGPT」に相談してプロンプトの改善案を出してもらったことがあるそう。AIの精度を信じ過ぎず、生成されたイラストはあくまで参考程度に活用し、オリジナリティを出すことで自分の介在価値を意識しているようです。
次回は、「ChatGPT」を最長4時間連続で使い、もはや「日常生活に無くてはならないツール」と語るlookeyメンバーにその魅力を聞いていきます。