かつて日本で展開していたレストランチェーン「アンナミラーズ」。オリジナルのパイや、白いブラウスにエプロンスカートといった店員の制服デザインで知られる。2022年8月31日に最後の常設店舗だった高輪店(東京都港区)が閉店したが、その後も期間限定出店や通販サイトの運営をしている。
2023年6月8日~26日には、百貨店・横浜高島屋にポップアップショップを開いた。「チェリーパイ」などパイ各種やチーズケーキを販売したが、期間中ツイッター上には来店客による「売り切れ」の報告ツイートが毎日のように出ていた。現在も根強い人気を誇るようだ。
パイは15時には売り切れ
2023年6月27日現在、アンナミラーズの公式オンラインショップを開くと、「一時的にご注文が殺到」と説明書きがある。「チェリーパイ」が売り切れで、注文できない。
アンナミラーズ運営の井村屋フードサービス部に取材した。先述の横浜高島屋への出店中には、連日朝早くから多くの客が訪れた。営業時間は10時から21時だが、販売するパイは、遅くとも15時には売り切れていたという。
高輪店の閉店後、横浜高島屋以外にも2回、期間限定での出店をしている。1回目はJR高円寺駅内(2022年12月)、2回目がJR川口駅(2023年3月)だ。利用客の期待に応じるため、今後も出店を検討しているとのこと。
通販では多数の注文を受けて、チェリーパイについて受注制限を設けている。ひとひとつ丁寧にパイを焼き上げているため、提供可能数に限りがあるとのことだ。
閉店報道をきっかけに?
現在もアンナミラーズが人気を博している理由についてどう考えているか、先述の井村屋フードサービス部に聞いた。まず、アンナミラーズは米国の家庭のどこか懐かしく素朴で温かい味、というテーマがしっかり定まっているため、多くの人の記憶に残っていると考えているという。
「閉店の報道をきっかけにその記憶が呼び起されたアンナミラーズ全盛期に青春時代を過ごした往年のファンの方が、その子供、また孫にまでアンナミラーズを紹介したことにより、ファンの裾野が広がったのではないかと推察しています」(井村屋の担当者)
実際、横浜高島屋のポップアップショップでは、家族連れで来る客も多かったとのことだ。