全体を包装して飛び出さないように
18年6月9日に東海道新幹線車内で発生した刃物による殺傷事件を受け、鉄道運輸規定が定める社内持ち込み物に関する規則は改正され、19年4月1日から新たに施行されている。これに伴いJRグループや私鉄21社でも手回り品のルールが19年4月1日から変更された。
従来の鉄道運輸規定でも危険物の持ち込みは禁止されてきた。19年4月1日から施行されている改正では、持ち込み禁止物に「刃物」を明記。ただ同乗者に危害を及ばさないよう梱包されたものは除くとしてある。鉄道各社も特段の梱包方法を施していない限り「包丁類、ナイフ類、なた、鎌、はさみ、のこぎり」などは持ち込めないと定めている。
刃物の適切な梱包方法は、「刃物を鉄道車内に持ち込む際の梱包方法についてのガイドライン」(平成30年12月国土交通省鉄道局)で定めている。
刃渡り6cm(センチメートル)以下の刃物を持ち込む場合は、ガイドラインは「車内では使用せず、袋等に収納しておくことが必要」としている。カッターナイフの刃先をしまい、ペンケースの中に入れておくとの例を挙げている。
一方、刃渡り6cmを超える刃物については「直ちに取り出して使用できないような状態にしておくことが必要」だ。悪意を持って使用したり、誤って乗客に刺さったりした場合は死傷につながる危険性が高いからだ。
たとえば刃先をプラスチック製や革製のさやケースに収納する。あるいは段ボールなどで刃先を覆った上で、刃物全体を新聞紙などで包装し、さらに持ち運び時に飛び出さないよう丈夫な袋や箱、カバンにしまう。もしくは小売店などで購入した場合は、買ったときの梱包状態を保持する。こうした状態で梱包するよう求めている。
同ガイドラインによれば、鉄道係員は必要に応じて、乗客が持ち込む刃物の梱包状態を点検する場合があるとのこと。