「プレゼン」で採用
採用試験の期も早まっている。試験の一部を大学3年生から受験できるようにしている教育委員会も目立つようになった。いわゆる「青田買い」だ。
4年生を対象とした試験時期も、全体として前倒しされる傾向にある。来年度については、文部科学省の要請もあり、これまでよりも1か月ほど早まり、6月に行われるところが増えそうだ。
すでに大半の自治体は、新卒採用に頼らず、「社会人採用」にも門戸を広げている。ただし、例えば東京都の場合、合格から2年以内に教員免許を取得する必要があり、それまでは教壇に立てない。
そんななかで、特にユニークなのは、さいたま市教委が今年度から始めた「パイオニア特別選考」だ。
対象者は、受験する教科の分野で高度な専門的知識や経験などがあるが、教員普通免許状を持っていない人。10分間のプレゼンテーション及びプレゼンテーションの内容に関する質疑を行い、合格後は、特別免許状が授与されて教諭として配置される。
全国の教員試験の倍率は年々低下し、東京都の小学校教員試験の場合、23年度採用者の倍率は1.4倍にまで落ち込んでいる。
いかにして応募者を増やすか。そして、要員を確保するか。とくに優秀な人材は、奪い合いになる可能性が高いだけに、各自治体の教育委員会は、応募者を増やし、合格者を定着させることができそうな採用方法や、魅力的な採用条件づくりを競い合っている。