モスバーガー「コメ由来」カトラリー導入加速 食事時の「風味」に影響は

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   外食産業がエコを意識した取り組みを行うなかで、注目されることが多いのが「カトラリー」だろう。プラスチック製のスプーンやフォークが木製や紙製に変更、または廃止された例が、これまでにもある。環境保護の観点から重要だが、消費者からは使用感の点から不評になっている例もある。

   モスバーガーを展開するモスフードサービス(東京都品川区)でも、環境に配慮したカトラリーを、2022年8月から導入している。バイオマスプラスチックに使われているのは、なんと「コメ」だ。

  • 1年間に使用するカトラリー全量分の原料が賄える予定
    1年間に使用するカトラリー全量分の原料が賄える予定
  • 1年間に使用するカトラリー全量分の原料が賄える予定

バイオマスプラスチック「ライスレジン」配合

   モスフードサービス広報に取材した。カトラリーは、国産非食用米由来のバイオマスプラスチック「ライスレジン」を、25%配合している。原料になる非食用米の自社生産を、本格的に始めるという。

   同社の出資する農場「モスファーム熊本」(熊本県八代市)にて、モスバーガー店舗で使用するトマト、レタスを生産してきた。この土地の有効活用として、モスバーガーチェーン向けカトラリーで使用する「ライスレジン」原料の非食用米を生産する。2023年から本格的に増やす計画で、全国のモスバーガーで1年間に使用するカトラリー全量分の原料が賄える収量となる予定だ。

   2022年の導入時のリリースによると、紙などさまざまな素材を使用したカトラリーを試していた。バイオマスプラスチックの使用も、パルプやコーンスターチなど植物由来原料を使用したカトラリーで実験してきた。そうした取り組みのなかで、「コメ」が原料に含まれるバイオマスプラスチックを使用したスプーンが選ばれたという。

   また、「モスバーガーは、主食がコメの日本発祥で、ライスバーガーを生み出したハンバーガーチェーンです」とコメとのつながりを大事にしてきた経緯があるとした。

   紙製や木製のカトラリーでは、食べるときの風味や耐久性に影響を与えるとして、消費者からの風当たりが強い面がある。しかし、モスバーガーで使われる環境対応スプーン、フォークは、色が若干濃い程度で、コメの香りは感じにくいという。そのため、消費者からはマイナスな反応をもらったことはないと説明。広報は「カトラリーの包装には、『コメが25%含まれています』という内容を書いてありますので、浸透しつつあるのかもしれません」と話した。

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