給料が増えないのに責任が増える
Yahoo!に掲載された朝日新聞の記事には、医療関係者を中心に1200以上のコメントついている。
医師で中央大学大学院教授の真野俊樹さんは、「海外においては、ナースプラクテショナー(NP)といういわば上級看護師という資格や、フィジシャンアシスタント(PA)という医師の手術のサポートをしたり簡単な手術を自ら行ったりできる資格があります。日本でもこの資格を認めるべきという議論は以前からあります。ただ、日本人の保守性で、医師は仕事を外だししたくない、看護師は新しい仕事をしたくない、といった感じでなかなか進捗していません」と解説。
看護師事情に詳しいと思われる人からは、「認定看護師などになって苦労が増えるだけ、給料は増えない、サービス残業が増えるだけで誰がしようと思うのか。他の国では看護師は高級取りで安定している。日本は初めこそ給料は高いがそこからの昇給は転職する方が高くなる。それでも責任が増える割には低すぎる。ましてやコロナ禍でどれだけの負担が増えたか、それでも減らされた給料。看護師は国や病院などのご奉仕ロボットではない」という不満のコメントも。
日本医師会のニュースポータルサイトによると、日医の釜萢敏常任理事は5月24日に記者会見を行い、ナースプラクテショナー(NP)については、「アメリカのように医療現場で役割を担っている国もあるが、国によって医療提供体制は異なり、日本で本当に必要であるのか、しっかり検討する必要がある」と指摘している。
「タスク・シフト」は簡単ではなさそうだ。
(2023年6月19日10時追記)内容を一部修正しました。