「中国SF」日本やアメリカとはココが違う ヒット作「三体」に見る人気のワケ

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「欲望に素直」に

   「ギャラリスト」としての話も聞いた。SOMSOC GALLERYは、「東アジア、オリエンタル、ポップアート」をキーワードに、新しい価値観や表現を、見る人に伝えるために活動している。これまで、企画展「暴走BOUSOU」や、虫プロダクションが製作したアニメーション映画「哀しみのベラドンナ」の、50周年記念展・NFT発行イベントなどを手掛けてきた。

   ずばり「今、注目しているクリエイターは誰か」。山下さんの質問に、宮崎さんは二人の作り手の名前を挙げた。静電場朔さん、そしてideoloさんだ。注目理由はスペースにて(54:28~)

   最後に、作リエ恒例の質問「仕事をする上で最も大事にしている、クリエイティブの柱」について。

宮崎さん「クリエイティブなものや、アーティスト活動はある意味『生き方』。欲望に素直でありながらも、カッコよく生きていきたい」
山下さん「自分も色々やる中で怖気づいてしまうことがありますが、ストッパーをかけずにいくことが、ある種のカリスマ性を醸し出してくれるんじゃないかと思いました」
宮崎さん「いけないことをしてはいけませんが、手綱は引きつつ、コントロールできないものに素直に生きていくというか」

   アートはとても器が大きい領域で、欲望を受け止めてくれる存在だ、と宮崎さん。意図的にカッコよく見せようとするのではなく、「己の中の欲に突き動かされた結果、自然とにじみ出るもの」で人に訴え、魅せていきたいようだ。

   スペース終了後、宮崎さんは山下さんとの対談から、今後の活動に生かせそうなヒントを見つけたと語ってくれた。世界進出を目指すコンテンツでも、いきなり世界を相手にするのではなく、中国SFのように「自国の人に親近感や共感を持ってもらうような要素が散りばめられ、それが逆に他の国の人には新鮮な魅力につながる、というプラスの二重構造が根底にある」と再認識した、という。

   「三体」については山下さんも「国が違うだけで、同じジャンルでもここまで違いが出ることに驚き」とコメント。各国の文化や歴史による特色が出ている点が興味深い、とした。

   第24回作リエは、2023年6月21日実施予定。

〇宮崎壮玄(MIYAZAKI TAKEHARU)
SOMSOC GALLERY共同運営者/プロデューサー/マネージャー
富山県射水市出身。
早稲田大学第一文学部中国語中国文学専修卒。
豊富な中国文学の知識を活かし、中国において、雑誌へのコラム執筆や、動画・短編映画制作を行う。また、上海で日本人向けのサイトを立ち上げ、杭州でメタバース開発会社を設立。自身もネットタレントとして60万人を超えるファンを持つ。日本の原宿でSOMSOC GALLERYを運営し、東アジアを中心としたアーティストマネジメント文化交流を進めている。
2008年上海復旦大学に留学、中国メディア専攻。
2012年上海に移住。在中国日本人向けサイト『上海スタイル』を創立。
2014年中国プラットフォームで短編映画制作・出演。
2016年中国上海アートマネジメント会社office339に所属。ネット動画企画・制作。
2019年日中合作ネットドラマ『飛翔少女安杰麗?』助監督を務める。
2019年杭州億真網絡科技有限公司設立。メタバース開発、中国Vtuberプロデュースを担当。
2022年SOMSOC GALLEY運営開始。

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