大学スポーツでは、伝統的な対戦カードや人気の学生アスリートが注目を集める。それを、同じ大学生が作り上げる「学生スポーツ紙」。今、転売被害にあっているという。
慶応義塾大学公認のスポーツ紙「慶應スポーツ」を発行する慶應スポーツ新聞会は、公式サイトで2023年6月6日、「新聞の無断販売・転売の禁止について」との注意喚起を出した。
新聞の多くは神宮球場で無料配布
慶應スポーツ新聞会編集長・長沢美伸さんにメール取材した。転売を確認したのは、2023年5月27日発行の春季早慶野球号。フリマアプリで販売されているのを、6月6日時点で確認したという。
「慶應スポーツ」は、定期購読者には年間6号・2000円で販売している。一方、発行した新聞の多くは、東京・神宮球場で無料配布している。それにもかかわらず、長沢さんが確認した限り、「さまざまですが300~1000円程度」で転売されていたという。無料配布の応援グッズや、早稲田スポーツ新聞会の発行する「早稲田スポーツ」とセットで売られていた事例も。
J-CASTトレンドが2023年6月12日に確認すると、フリマアプリ「メルカリ」では、野球部パンフレットとのセット販売や、早慶両大学のスポーツ紙と応援グッズなどが、まとめて1000~2000円程度で出品中になっていた。
「慶應スポーツ」の場合、神宮球場では手に入れやすい半面、球場外では入手が難しい。読み終わったら無断で販売する人がいるのだろうと、長沢さんは推察した。
球場に足を運んでくれた人のため
無料配布しているのは、球場に足を運んでくれた人に当日楽しんでほしいという思いからだ。それを販売する行為は「その思いを悪用された、踏みにじられたと感じています」。
定期購読者のためにも、「正規の方法以外での販売は認めるべきではないと考え、注意喚起に至りました」と、サイトでの掲載に踏み切った。
今後はしばらく様子を見る形になるだろうとしつつ、「紙面の欄外などに、販売禁止の旨を記すことも検討しております」と長沢さん。また、「セット売り」がされていた「早稲田スポーツ新聞会」と話すことも考えているという。