「個人でやっていくことの最大級のデメリット」とは
マチコーさんは大学卒業後の進路について、「企業への就職」か「独立」かで悩んだ時期があった。
クリエイターとしての実績があり、スタジオ代表としてチームを束ねてきた。手塩にかけた作品は高い評価を受けている。ゲーム会社での運用プロジェクト・新規開発プロジェクトの企画業務をこなし、成功も失敗も知っている。経歴を見れば「独立」か......と思いきや、選んだのは「就職」。現在は、入社が決まった企業で、内定者バイトとして働いている。なぜなのか(33:02~)。
マチコーさん「まずは就職し、人脈や稼ぐ方法といったノウハウを身に着けたいなと。学生のうちに売れっ子ゲーム作家になっている人なら、独立した方がいいとは思いますが......」
山下さん「自分も今はフリーですが、かつて会社に所属していて、その時の経験は生きていますね。金銭感覚や社会人としての作法、あとは『捨てる技術』!」
「捨てる技術」とは、時間と金の制限がある中で、思い通りにならない事態に直面した時、「ここは譲れないが、あとは諦めた方がいい」と切り替える力を指すという。他にも二人は、企業に勤めるメリットをいくつか挙げた。同時に、山下さんは「個人でやっていくことの最大級のデメリット」も暴露。その内容とは(44:49~)。
スペース終了後の二人に「印象に残った話」を聞くと、マチコーさんも山下さんも「企業所属とフリー(個人)の違いについて」を挙げた。
山下さん「フリーで働くものとして共感できることもあれば、ゲーム制作ならではのデメリットもあったりして、とてもタメになる時間を過ごせました」
マチコーさん「その話題をきっかけとして『なぜ自分はゲーム会社へ新卒入社する道を選んだのか』を改めて振り返り、自分の現在地を確認することにも繋がりました」
マチコーさんは、リスナーにとっても「自身のキャリアについて考える契機にしてもらえたら幸い」と話す。「良いゲームを作りたい若手ゲームクリエイターのための共創型コミュニティづくり」に注力し、周囲への支援にも心を砕いているからだ。
その名も「レベラボ - LEVEL UP! Lab」。作品の売り方、認知度の上げ方、資金調達の仕方などを学び、議論を通じて「面白いゲームとは何なのか」を考えるきっかけを作りたいと語る。世界へ羽ばたくインディーゲームが生まれるよう、まずは作り手の知識や制作環境が豊かであれ、との思いがあるようだ。
第23回作リエは、2023年6月7日実施予定。