【連載】Z世代のトレンド研究
「Z世代」は、日々どんな情報に注目し、トレンドを追っているのか。
テテマーチ(東京都目黒区)マーケティング研究室「lookey(ルーキー)」のプロジェクトリーダー・川又潤子さんが、Z世代メンバー(同社定義:1995年から2010年生まれ)と共に、はやりのヒト・モノ・コトを取材。人気の秘訣をZ世代の視点で分析し、伝えていく。
「スケルトンアイテム」と聞いて、何を思い浮かべますか。透け感のある涼しげな素材は、暑くなってきた今の季節にぴったり。スケルトンアイテムを身に付けた若者たちが街を歩いているのを、見たことがある人も多いのではないでしょうか。
そこで「全身をスケルトンアイテムでコーディネートする」企画に、洋服が大好きな武井捺(20歳)が挑戦! ......しかし「全身スケスケ」は現実的に難しいので、スケルトンアイテムに加え、「シースルー素材」や「メッシュ素材」もふんだんに使い、「令和の全身スケルトンコーデ」を考案しました。
コンプレックス隠しつつ、露出
早速、コーデの詳細を見ていきましょう。友達と、音楽フェスやディズニーランドに出かける時などに着る想定のようです。
■詳細
トップス:シースルートップス
スカート:SHEINのシースルースカート
バッグ:ナイキのメッシュリュック
スニーカー:アディダスのスケルトンスニーカー
小物:SHEINの伊達メガネ
ワイヤレスイヤホン:NothingのEar(stick)
シースルーやメッシュは軽くて着心地が抜群で、ビニール素材の透け感と違っていやらしく映りにくく、おしゃれに見せられるのが魅力だそう。通気性がよく、体温調節しやすいので、季節の変わり目の時期にうれしいですね。
武井:気温が上がり、肌の露出が増える季節になっても、コンプレックスを隠しつつ、涼しげできゃしゃな印象に演出できます。露出へのハードルが下がり、誰でも取り入れやすいコーデだと思います。
スケルトン、「懐かしい」か「新しい」か
一方、透明で中が見えるスケルトンアイテム。今回選んだワイヤレスイヤホン、伊達メガネ、スニーカーは見た目通り軽く、「長時間着用していても、体に負担がかかりにくいと感じます」と武井。軽いからといって機能面も侮れず、NothingのEar(stick)は大迫力のサウンドを体感できます。
私、川又にとっては「スケルトン=懐かしい」イメージです。子供の頃、スケルトンのゲーム機がはやったためです。
川又:透明なものを見ると、レトロ感があると思う人が少なくないのではと見ています。武井さんは、どうですか?
武井:私の年齢(20歳)だと、懐かしさは感じなくて「スケルトン=新しいトレンド」だと捉えています。
そのうえで、昔と今のスケルトンアイテムに共通するのは、「透明で中が見えてワクワクを感じられる『遊び心』」ではないか、と分析していました。
武井曰く、スケルトンアイテムは「自分らしさを表現できるもの」。例えば、スマートフォンのケースをスケルトンにして、「推しの写真など、自分の好きなものを挟んでいるZ世代の友人をよく見かける」そう。推しを見せることで、自分らしさを表現したい欲があるのでは、とみています。
今回コーデに取り入れた「ワイヤレスイヤホン」も、白や黒が定番で、たまにカラフルなものを見かけますが、スケルトンはあまり付けている人がいない印象です。人と被らないため、自分らしさの演出につながります。Z世代ならではの価値観といえそうですね。