新学期になると、学校の教科書が新しくなり、内容も変わる。毎年のように話題になるのが、社会科の教科書だ。かつては常識だった歴史が、新しい研究で様変わり。昭和世代、親の世代が知らない「新説」が、今の社会科の教科書では「通説」「定説」となって登場している。
「サヘラントロプス・チャデンシス」?
日本経済新聞は2023年5月6日、「NIKKEIプラス1」の「なんでもランキング」で、「社会の教科書ここが変わった」という記事を掲載した。
同紙が専門家の協力を得て、「主に現行の中学の社会科の教科書から、1990年度ごろに使っていたものと内容が変わっている点」について28項目のリストを作成。4月上旬、インターネット調査会社を通じ、小学校?高校のころ社会科が好きだった40代、50代の男女1000人に「知らなかった」「意外と感じた」項目を7つ選んでもらった。
その結果、1位になったのは、「最古の人類は『サヘラントロプス・チャデンシス』」だった。
アフリカのチャドで2001年、ほぼ完全な形の頭骨の化石が発見された。それが、約700万年前の最古の人類のものと分かり、サヘラントロプス・チャデンシスと名付けられている。「知らなかった」という人が多かったという。