低容量帯のSSDだと
ITサポートエンジニアの古賀竜一氏に取材した。佐賀県で「あんしんパソコン相談室」を運営している。
古賀氏自身、SSDの価格動向は毎日のようにチェックしているとし、「最近の価格下落には少々驚いています」と語る。一部報道では、スマートフォン(スマホ)やパソコンの需要が世界的に一巡し、半導体の需要が減ったと指摘されているという。
古賀氏によると、スマホの記憶装置に使われている「フラッシュメモリ」という部品は、同じ種類のものがSSDにも用いられている。
近ごろのスマホはバッテリー性能やソフト・ハードウエアの技術的向上で品質が向上。スマホ価格も上昇しているため、ユーザーは長く同じモデルを使い続ける傾向があると古賀氏。ユーザーによる買い替えが減り、スマホ需要が減少したのが、同じフラッシュメモリを使っているSSDの価格下落にもつながっていると古賀氏はみる。
また、近ごろ、フラッシュメモリの技術革新や競争が進んでおり、生産コストが下がったのもSSDの相場下落に影響しているのではないかと推測した。
今後、SSDとHDDの価格差はどうなるか聞くと、古賀氏は「容量別で状況が違ってくると思います」。低容量モデルでは価格差が縮まっており、特に500GB(ギガバイト)~2TBでは顕著という。「このままいくと逆転が起きるのは時間の問題でしょう」とみる。
一方、2TBを超える高容量帯では、SSDは依然として価格が高く、HDDの方が現在も「かなり安価」と古賀氏。
高容量HDDでは現在も技術革新が続いており、今後新たな技術の導入があり得ると古賀氏。同様に、高容量SSDも、新技術の登場や生産プロセスの効率化によって、価格下落のスピードが速くなるかもしれない。「しかし、大容量のSSD価格がHDDより下がることは数年では難しいでしょう」と分析する。
ただし、SSDに使用されるフラッシュメモリは、世界情勢や経済状況といった外的要因によっても価格が左右され得ると付け加えた。