長年便秘の人は
今回陽子さんが診断されたのは、虚血性大腸炎。なんらかの理由で大腸内の血流が阻害されると発症します。高齢者や高血圧の症状がある人に多いですが、健康な若年層にも起こる場合があります。ほとんどの場合は、便秘によるうんちの滞留や腹圧のかけすぎによって血圧が収縮したことが原因で起こる一過性のもの。陽子さんも、便秘が根本的な原因で発症したと考えられます。
虚血性大腸炎は、一定期間の絶食で症状自体は落ち着きます。しかし、原因となっている便秘を改善しなければ再発の恐れも。正しく排便コントロールができる習慣を身につける必要があります。
陽子さんのように長年便秘の人は、腸のぜん動運動が低下してしまっているケースがほとんどです。玄米やきのこ類は食物繊維が豊富ですが、ほぼ不溶性食物繊維。これを、腸が動きづらくなっているところに大量に入れると、逆にうんちが詰まる原因になることがあります。今回の場合は、それが裏目に出たと考えられます。
つまり、クイズの答えは「玄米やきのこ類といった食事をやめる」。食物繊維をとるときは、海藻類やもち麦・押し麦などに含まれる「水溶性食物繊維」の量を増やすと、うんちが柔らかくなり、するりと出しやすくなります。
「踏ん張らずに下剤を活用する」は、どうでしょう。常に薬に頼っての排便はNGで、便秘解消の根本的な解決にもなりません。しかし、重度の便秘にも関わらず自力で排便しようとすれば、今回のような虚血性大腸炎をはじめ、痔や大腸憩室炎などのリスクを高めてしまうことも。生活習慣改善も含めて下剤を適切に服用し、服薬量を減らしていければ、依存のリスクを下げられます。「どうしても」という場合は、医師と相談のうえ頓服として利用するのが良いでしょう。