マイナンバーカードへの信頼が揺らいでいる。最近になって、「マイナ保険証」やコンビニサービスでのシステムトラブルが、相次いで起きているのだ。
2023年5月に入ってから起こったトラブルは、実はこれだけではない。
松本総務相は「大変遺憾」
マイナンバーカードを利用した、コンビニエンスストアでの住民票の写しを受け取れるサービスで、別人の証明書が交付された事例が、東京都足立区と横浜市、川崎市、徳島市の4市区で延べ14件発生した。総務省が2023年5月12日に発表したものだ。
また同省は、マイナンバーカードを使った印鑑登録証明書のコンビニ交付について、廃印処理済みの印鑑証明書が誤発行されるトラブルがさいたま市、新潟市、熊本市の3市で計11件発生したと発表。共同通信が2023年5月16日付の記事で報じた。
これらの件は、いずれも富士通Japanのシステムを使用していたという。短期間で、多くのトラブルが発生したことを受け、松本剛明総務相は5月16日の閣議後記者会見で、「大変遺憾」と発言。事業者に直接、原因や再発防止策を確認している旨を話した。
ところがこの同じ日、別のトラブルが明らかになった。鳥取県境港市で、マイナンバーカードを使った各種証明書のコンビニ交付サービスが止まっていることがわかったと、「TBS・JNN NEWS DIG」が報じた。ただし、「全国で発生しているトラブルの委託会社とは異なる」という。
保険証やマイナポイント、さらに...
「マイナ保険証」では、全国で約7300件の誤登録があったと厚生労働省の調査で判明したと共同通信が5月12日に報じている。また、これが原因で、別人の医療情報が閲覧された事例が5件あったという。加藤勝信厚労相は、同日の会見で「入力時におけるミス」の認識を示した。
「マイナポイント」関連でも5月8日、総務省は申込システムに障害が発生していると発表。9日23時ごろまでに復旧したという。
「マイナンバー」そのものにも、不安になる出来事があった。5月23日、マイナンバーにひもづけて国の給付金を受け取れる「公金受取口座」について、誤って他人の口座情報が登録されたケースが、福島市など複数の自治体で見つかった。この日会見した河野太郎デジタル相は、登録済みの公金受取口座を総点検し、誤情報があれば修正すると話した。