誤認逮捕が問題に
生活のあちこちに広がりつつある「顔認証」サービス。精度が高まっているとはいえ、まだ100%パーフェクト、というわけではない。また、利用者には知らされない形の使われ方をされる心配も付きまとう。
米国では、顔認証による誤認逮捕がしばしば問題になっている。日本でも21年9月、やや事情は異なるが、JR東日本が、顔認識カメラを使って、刑務所からの出所者と仮出所者の一部を駅構内などで検知する防犯対策を実施していることが読売新聞などで報じられ、大きな問題になった。
中国新聞は21年10月26日の社説で、顔認証情報が本人の合意のないままに蓄積され、他のさまざまな個人情報とひも付けて利用されるリスクを指摘。「利便性は向上するが、私たちを監視する手段としても機能しかねない危うさがある。顔認証を規制する法律が日本にないからだ。どんな場面で利用が許されるか、政府は明確なルールづくりを急ぐ必要がある」と警鐘を鳴らしている。