転職したら下痢が起こらない...なぜ
結局、健太さんは再び休職してしまいました。その後、職場には復帰できず、転職することになります。
転職後も満員電車での通勤は続いていますが、以前のような腹痛や下痢の症状は頻繁に起こらなくなりました。
健太さんは、病院で検査を行い「過敏性腸症候群(IBS)」と診断されました。これは、なんらかの理由で内臓の神経が過敏になり、腹痛や排便異常を引き起こす病気です。精神的ストレスが原因になっている場合が多いです。
休職中には症状がなかったこと、転職後は満員電車に乗っても腹痛・下痢が起こらないことなどから、健太さんは上司とのコミュニケーションや関係性に原因があったと考えられます。つまり、正解は「会社に相談して配置替えを行う」。前職では配置換えが行われていれば、転職という選択は不要だったかもしれません。
原因は人それぞれ。満員電車に乗ること自体がストレスとなって症状が出てしまう人もいます。原因をなるべく早く、的確に把握して対策をすることが必要です。
そのためには、自分に素直になり、何に不快感を抱くのかの理解からスタートを。また、我慢を避け、改善のために人の力を借りることも大切です。職場環境は、自分ではどうにもならないケースは多いので、周囲に協力してもらい解決につなげるのが理想です。企業が人事面談を行う場合は、言いづらい内容でも相談しやすい環境作りが求められるのではないでしょうか。