対話型AI(人工知能)「ChatGPT」を開発している米OpenAI。2023年4月24日(現地時間)、同社のブランドを利用するときのガイドラインを公開した。OpenAIのAPI(外部のツールと連携できる仕組み)を活用したサービスについて、「〇〇GPT」「GPT-4搭載〇〇」といった表現は用いないよう求めている。
日本ではすでにChatGPTを活用した上で、名称に「〇〇GPT」と冠するサービスが複数企業から登場している。ガイドラインの発表を受け、改称するケースが出ている。
発表直後に改称
業務支援ツールを手がけるギブリー(東京都渋谷区)は日本時間4月24日、法人や行政機関がChatGPTを活用するためのプラットフォーム「法人GPT」「行政GPT」を発表した。一方で翌4月25日、OpenAIのガイドラインに対応するため前者は「法人GAI Powered by GPT-4」、後者は「行政GAI Powered by GPT-4」に名称を変更した。
Open AIはガイドラインの中で、自社APIを使った製品について「〇〇GPT」「〇〇 with GPT-4」「〇〇AI by Open AI」「ChatGPT-powered 〇〇」といった表現を避け、「〇〇 powered by GPT-4」「Powered by GPT-4」「Built on(同)」「Developed on(同)」などと表記するよう求めている。
ギブリー広報に取材した。GenerativeAI(生成型AI)のAPIを活用することが前提の自社サービスの場合は、APIベンダー側のガイドラインや事業方針を順守する。同社では、こうした基本方針をとっているとのことだ。
3月13日には、電話自動応答サービスを提供するIVRy(東京都台東区)が、指定の電話番号にかけるとChatGPTと音声で会話できるサービス「電話GPT」を発表した。3月23日付リリースによると、「自然言語処理や音声認識技術の社会実装の実現に向け、試験的に特別公開」。リリース時点では、「無料体験デモ」との位置付けで電話番号を公開している。
また、25日には実業家・西村博之氏を模した「AIひろゆき」と通話できる「ひろゆき電話GPT」というサービスを発表した。こちらも指定の電話番号にかけるとAIひろゆきと話せるサービスで、公開しているナンバーは「無料体験デモ番号」としている。
IVRy広報に話を聞いた。OpenAIのガイドラインの存在は、プレスリリース配信後に認識。過去に配信したプレスリリースを含め対応を検討しているが、「少なくとも今後は〇〇GPTという名称は使わない方針で考えております」。
なお同社の「〇〇GPT」シリーズは商用サービスとして提供しているものでないため、現時点では会社としての影響は少ないと捉えているという。
「Powered by」「built with」に
同じような改称例がほかにもある。採用支援サービスを提供する「グラム」(渋谷区)は、ChatGPTを活用したサービス「採用GPT」の名称を、「採用Gai Powered by ChatGPT」に変えたと4月25日に発表した。
AI技術を用いた製品を扱う「HEROZ」(東京都港区)も、4月24日に発表した企業支援サービス「GPT-based Knowledge System」の名前を、「HEROZ Knowledge System built with ChatGPT」に修正変更した。翌25日に発表している。ChatGPTの各種APIと連携したサービスで、ガイドラインを受けての対応とのこと。